政一九作品の書評/レビュー
サクラ大戦 漫画版第二部 (4)(原作:広井王子/デザイン:藤島康介)
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葵叉丹により光武は全滅させられ、大神一郎率いる帝国華撃団花組に残されたのは、試作機の三色すみれだけとなった。既に型遅れとなった機体で懸命に訓練をする花組の隊員たちを見て、司令の米田一基中将や藤枝あやめ副司令の胸に去来するのは、かつての降魔戦争における後悔だった。
尊敬する山崎真之介が残した神武の設計図を前に、その霊子力エンジンの設計思想に隠された破滅的な考え方にショックを受ける李紅蘭ではあったが、神崎重工の技術者たちの激励を受け、それを改良した霊子甲冑の開発に挑む。
しかしそれが完成するときを待つことなく、帝国華撃団には葵叉丹の魔の手が表に裏に迫ってくる。その魔手の前に、藤枝あやめは決死の覚悟である決意を固めるのだった。
おまけ漫画には、十年も待たせられた織姫とレニが未来から文句を言いにやってくる。
サクラ大戦漫画版第二部 (3)(原作:広井王子/デザイン:藤島康介)
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猪鹿蝶の魔操機兵を退けたものの、光武は全滅。そして夢組の結界が破られ、葵叉丹には帝劇に進入されてしまう。迎え撃つ米田一基中将だったが、その正体がかつての部下、山崎真之介であることを知る。そしてそれは、藤枝あやめや、彼を技術者として尊敬する李紅蘭に変調をもたらしてしまう。
一方、神崎重工では、神武プロジェクトが進行中。そのテストパイロットとして目をつけられた李紅蘭は、複雑な気持ちを抱えつつその仕事をこなす。そして、山崎の設計した神武の霊子力エンジンには、とある悪魔の設計思想が埋め込まれていることに気づくのだった。
堕ちていくあやめと、尊敬する技術者との葛藤に悩む紅蘭が今回の主役だ。その彼女が、同じ人間の作った機械が敵と味方に分かれて戦うことに心を痛め、そしてそれにどう折り合いをつけ、自分がすべきことに気づくまでを描いていく。
ゆったりとした進行ながら、キャラクターの内面を深く描いていると言えるだろう。
サクラ大戦漫画版第二部 (2)(原作:広井王子/デザイン:藤島康介)
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神武計画の中止決定を受け、帝国華撃団花組の取れる選択肢は狭められてしまった。この状況を何とかするため、神崎すみれは実家に開発続行を他の誰にも告げずに働きかけ、李紅蘭は光武の寿命を削って出力強化の改造を行う。
しかし、敵である降魔の攻勢は止まず、ついに花組の本拠地を突き止められてしまった。帝劇地下にある最後の手段を使わなければならないのか、あるいは…。
サクラ大戦漫画版第二部 (1)(原作:広井王子/デザイン:藤島康介)
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天海率いる黒之巣会を下し、平和を取り戻した帝都には、正月気分を楽しむ花組の姿があった。しかし、初詣に出かけた明冶神宮で、多数の降魔とそれを率いる葵叉丹に遭遇する。
再び災厄に見舞われた帝都で、花組は光武を駆り奮闘するが、敵の魔操機兵の力の前に敗れてしまう。さらに、悪いことは重なり、光武の後継機である神武の開発も資金難によりストップする。紅蘭から話を聞いたすみれの取った行動は…。
サクラ大戦 漫画版 (5) (原作:広井王子/デザイン:藤島康介)
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ゲーム「サクラ大戦」のマンガ版第5巻。順調にお話が進んでいて、嬉しい限りです。ぜひ最後まで描ききって欲しいと思います。
今回はアイリスが主人公です。ゲームでは触れられなかったアイリスの過去話や小説版でも言及されていない能力発現の理由などが描かれていて、丁寧な仕事が感じられます。
秀逸は、最後のおまけです。今のペースでは登場がいつになるか分からない紐育華撃団のメンバーが4コマで出演しています。これはなかなかにくいサービスだと思います。
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