宮島礼吏作品の書評/レビュー

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (15)

消せない拒否反応
評価:☆☆☆☆★
 国内全兼任となった浦川みのりと吉永寛子は、名古屋の栄に派遣される。新人の有栖莉空も加え、3人で、SKEの現場にやってきているファン全員を認めさせなければ、アイドルをクビになってしまう。
 だが、どれだけ努力を重ねても、7人の否認票がいつまでもなくならない。初めてのスランプに陥った浦川みのりは、すがるように入ったダンススタジオで、偶然、岡部愛と再会する。

 だんだん、試練と努力の演出がインフレーションを起こしてきたな。そのうち、地球を飛び出したり、精神と時の部屋で修行したりするんじゃなかろうか。

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (14)

嵐と嵐
評価:☆☆☆☆★
 AKB総選挙が終わり、浦川みのりと吉永寛子は国内全兼任として、各グループに参加することになってしまった。そして神8との初めての共演で彼女たちのオーラを見せつけられた浦川みのりは、吉永寛子と一度距離を取ることで、彼女を劇的に成長させようと考える。
 そんなとき、新人の有栖莉空が浦川みのりの前に現れ、告白をしていくのだった。新たな3人組で名古屋の栄を目指すみのりに訪れる試練とは?

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (13)

神越え
評価:☆☆☆☆☆
 秋元康からAKB48の選抜8人を下すように密命を受けたGEKOKU嬢の浦川みのりは、吉永寛子をセンターにする野望を抱き、日々の活動に邁進する。
 そうして始まった、AKB総選挙。岡部愛も含め、GEKOKU嬢のメンバーはそれぞれのポジションを得ていく。そんなとき、再び浦川みのりの前に現れた秋元康は、所属チームの希望を聞くのだが…?

 これまで浦川みのりの影で守られていた吉永寛子が、一番前に立って引っ張る覚悟を決め始める。

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (12)

新たな伝説のはじまり
評価:☆☆☆☆★
 ラージヘッドプロダクションの仕掛けで、MAYAが所属する&Jewelのライブに招待されたGEKOKU嬢の浦川みのり、岡部愛、吉永寛子は、相手のファンをも巻き込むパフォーマンスを見せ、アウェーをホームへと変えていく。ところが、アンコール直前で浦川みのりは倒れ、前田敦子に男であることがはっきりとばれてしまうのだった。
 秋元康プロデューサーとの約束である13万枚のデビューCD売上を達成し、正規メンバー昇格を心待ちにする三人は、サプライズ発表があるという噂の、さいたまスーパーアリーナでのライブに参加する。そして知らされるサプライズとは?

 それにしても、MAYAに背景は不要だっただろう。

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (11)

努力、友情、勝利
評価:☆☆☆☆☆
 &JewelのMAYAが所属するプロダクションの力により、浦川みのり、岡部愛、吉永寛子らGEKOKU嬢のテレビ生放送の出演時間は極限まで絞り込まれた。それを逆手に取り、劇的な演出で観客を魅了する。
 しかしそのことに激怒したMAYAは、生本番中にもかかわらず浦川みのりに宣戦を布告し、自分たちのライブステージにGEKOKU嬢を招待する。

 圧倒的アウェーでのステージに誰もが招待を断ると思ったのだが、みのりの答えはその予想を裏切るものだった。

 &Jewelとの対決編になってから、一段と盛り上がって来ている気がする。圧倒的不利な状態からの、努力、友情、勝利というのは、少年漫画の王道だよな。アイドルものだけど。そしてマガジンだけど。
 そして最後の展開は、薄々感じていた通りだったんだな、と。

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (10)

限られた選択肢の中での奮闘
評価:☆☆☆☆★
 弱小クイーンレコードから出すCDにアイドル人生を賭ける選択をした研究生ユニット「GEKOKU嬢」の岡部愛、浦川みのり、吉永寛子は、業界最大手ラージヘッドレコードの新人アイドル&JewelのMAYAから露骨な妨害を受けていた。岡部愛に異常な敵意を燃やすMAYAは、GEKOKU嬢を追い落とすために金と権力をためらいなく使う。
 このような選択肢の限られた状況にありながら、少ないチャンスを確実に生かし、知恵と根性を振り絞ってアピールを続けたGEKOKU嬢は、ついにやらせなし、ガチのクイズ番組に出場する権利を獲得するのだった。

 吉永寛子に降りかかってくるピンチと、それを乗り越えるための彼女の覚醒、岡部愛のしたたかな作戦、そして揺るがない浦川みのりの諦めない精神。無いことを嘆くのではなく、あるものを効果的に出し切って魅了する。そんなクレバーなアイドルとして、GEKOKU嬢が描かれている。

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (9)

上っ面の芸能界像
評価:☆☆☆☆★
 弱小クイーンレコードのプロデューサー喜嶋太一の取ってきた工事現場での作業の仕事のおかげで、偶然かも知れないが、研究生ユニット「GEKOKU嬢」の岡部愛、浦川みのり、吉永寛子はまた一つ成長できた。工事現場を卒業し、彼女たちはようやく芸能界の荒波に漕ぎ出す。
 そしてその荒波では、業界最大手ラージヘッドレコードの新人アイドル&Jewelが旋風を巻き起こし中だ。その中でもMAYAというアイドルは、傍若無人に振る舞い、そして何故か、岡部愛のいる「GEKOKU嬢」に敵意を向けてくる。

 テンプレ的な芸能業界ネタが来たなという感じ。しかもその解決の方向性が、ただ熱意を持って努力するだけというのはいかがなものか。金と力でゴリ押ししてくる相手には、こちらも相応の力を以て応えないと。そもそも、露出の無いアイドルはアイドルじゃ無いわけだし。
 「GEKOKU嬢」が熱血路線で行くなら、それを売り出す側はもっと黒い部分を出してくれないと、単なるきれい事の話になりそうな気がする。

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (8)

恋を知らないアイドルたち
評価:☆☆☆☆★
 「おまえたちの恋愛禁止条例を一時的に解除する」ラブソングを歌えない岡部愛を見て、プロデューサー秋元康はその決断をした。
 一時的に恋愛が許された岡部愛は、彼女をアクセサリーとして価値のあるものと見る男たちの相手をすることで恋する気持ちを知ろうとするが上手くいかない。そんなとき、彼女の前に現れたのは、浦山実、浦川みのりの本来の姿だった。

 アイドルとしてCDデビューをする段になって、スポコンからラブコメに展開が切り替わる様な変わらない様な…。吉永寛子もそのラブコメの輪に、知らず知らずに引っかかっている。
 自分の気持ちがこもっていない歌は、ただの音でしかなく、それでは人は感動させられない。そんな想いを内包し、三人はまた一歩前へと進むのだった。

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (7)

チャンスと別離?
評価:☆☆☆☆☆
 AKBのプロデューサーである秋元康が次に繰り出した奇策は、研究生である浦川みのり、吉永寛子、岡部愛の3人に研究生ユニットを組ませ、CDデビューさせるというもの。しかも、初盤13万枚を売り切れば正規昇格、逆に言えば売り切らなければ一生研究生のままという、天国と地獄のオプション付きだ。
 みのりは秋Pに啖呵を切り、その博打を受けることにする。しかしそうなると、研究生の仲間たちからは特別扱いされている3人が浮いてしまう。せっかく、結束を固めて来たのに、それもおじゃんだ。それが芸能界の掟なのか、諦めるしかないのか。そう思うみのりやひろこの前に現れるのは…。
 そして、研究生ユニット「GEKOKU嬢」がデビューするクイーンレコードの実態は、驚きのものだった。

 今回もみのりは熱いセリフを吐くねえ。そして、喜嶋太一という新しいキャラクターの登場は、彼女たちにどんな嵐を呼ぶのか?
 ボーナストラックとして、「おにいちゃんの部屋に来るGEKOKU嬢」を収録。…浦山実が変な趣味に目覚めなきゃ良いけど。

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (6)

覚悟を示せ!
評価:☆☆☆☆★
 父親にAKBに入ったことを報告していなかった研究生の吉永寛子は、彼女がステージに立つようになり、それが近所の噂になるようになって、ついに父親の耳に入ることになってしまう。寛子には堅実に生きて欲しい父親は、アイドルなどと言う外道にうつつを抜かすことを許さない。激怒した父は、寛子を家に閉じ込め、AKBから脱退させようとする。
 しかしそれを、浦川みのりは何とかしたかった。アイドルになるため、寛子がどれだけ努力をしてきたかを知っているみのりは、男モードの浦山実になって寛子の家を訪ね、彼女を連れ出して劇場に連れて行く。だがそのことに気づいた父親は、劇場にまで寛子を連れ戻しにやってきた。どうなる?

 アイドルの卵とは言え、まだ彼女たちの多くは未成年で、保護者の監督下に置かれている身の上だ。保護者が彼女たちの夢に協力的であれば良いが、そうではなければそれはとてつもなく大きな壁になる。その壁にどう立ち向かうか?寛子のアイドルとしての覚悟が問われている。

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (5)

葛藤を乗り越えた上での感動
評価:☆☆☆☆☆
 いよいよ研究生に課せられた試練、一万円公演で250人の観客を集めるための、最後のチャンス、Xデーがやって来た。しかし当日、吉永寛子が過労でダウン、その心配をしたセンター・浦川みのりは、本来の浦山実に戻り、公演を放り出して彼女の病室へと駆けつけてしまう。
 このまま公演は不成立、研究生全員が解雇か?と思った時、選抜メンバーが前座に登場し、時間稼ぎをしてくれた。しかしもうそれも限界に近付く。果たして浦山実は、本当のアイドル・浦川みのりとして立ち上がることが出来るのか?その答えが得られる瞬間がやってくる。

 色々と演出が上手い。絵もそれにマッチしている。研究生公演のラストはちょっと感動しちゃうくらい。盛り上げ方とそのまとめ方が抜群に良い。
 全てが与えられる展開なんて、物語としては何も面白くない。挫折があり、苦悩があり、汗が飛び散る努力があり、涙があり、友情があり、そして最後にそれらを乗り越えた上での勝利がある。その過程にドラマが生まれるのだ。結果がすべてじゃない。

 そして晴れてXデーも乗り越え、研究生たちには新たな試練がやってくる。おまけマンガは、研修生(浦川みのり)の一日、という感じ。

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (4)

ステージを作る見えない要素
評価:☆☆☆☆☆
 裏方のサクラから舞台における裏方の重要性を悟らされた浦川みのりは、自主的に彼女の手伝いを申しでる。自分のことよりも舞台のことを、そして舞台で歌い踊る人のことを考えて、手間を惜しまずに準備をする。その心構えが、気持ちよくアイドルを舞台に上げさせ、そしてどんな不測の事態が起きても対処できる用意をさせるのだ。
 しかし、岡部愛にはそれが分からない。自分からセンターを奪った、憎らしい、でも認めているみのりが裏方に媚を売っているのが気に入らない。アイドルはスポットライトを浴びて輝くのが仕事なのだから、床拭きをしているくらいならば、輝くための努力をすべきなのだ。

 そう思う岡部は、公演のステージ上で予定にない行動を取り、舞台のセットが破損する原因を作ってしまった。訪れてしまう、公演中止の危機。せっかく上り調子になってきた一万円公演も、Xデーまであと2週間のいま、そんなトラブルが起きれば、ノルマを達成できないかもしれない。
 このピンチをどうやって乗り越えるのか、みのり!?

 どんどん迫るXデーに、見ているほうも緊迫感を感じていく。そしてそれを様々な形で応援する裏方やファンたち。だが最後に、みのりの心を折る様なトラブルが発生する。

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (3)

アイドルとは、ファンとは?
評価:☆☆☆☆☆
 公演チケット一枚一万円。秋元康から課せられた課題に苦しむ研究生たち。公演にもなかなか観客が入ってくれない。そんなとき浦川みのりは、大島優子の代役でチームKの公演に参加するよう、戸賀崎からの指示を受ける。そして向かったチームKの練習風景は凄まじいものだった。
 どうにかこうにか練習して、何とか舞台に立ったものの、舞台上で吹き荒れる嵐に、みのりは吹き飛ばされる寸前。せっかく、研究生の宣伝になればと頑張ったのに、全く太刀打ちできず、宣伝どころか研究生を貶めるばかり。その悔しさに、みのりは涙を浮かべてしまう。そんなとき…。

 浦川みのりは実は男?そんな疑惑を抱いた渡辺麻友が、みのりを尾行する。大丈夫か?みのり!

 アイドルとは、ファンとは、公演とは、そんな疑問に対するひとつの答えを、この作品は提供してくれる。

AKB49〜恋愛禁止条例〜 (2)

みんなは誰かの太陽に
評価:☆☆☆☆☆
 第12期生たちのステージデビューを前に、センターに抜擢された浦川みのり(実は男)はその重責から逃げだしそうになる。変身を解き浦山実となったみのりの前に現れたのは、前田敦子。大島優子や高橋みなみたちからのメッセージを受け、みのりはAKBのステージを作り上げることができるのか?
 そして始まった舞台の上に生じる不協和音。センターからはずされて不満な岡部愛のスタンドプレーにより、想定外の事態が発生してしまう。ファーストステージにけちがつくのか、あるいは乗り切ることができるのか?

 理屈じゃないアツさがおもしろい!

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AKB49〜恋愛禁止条例〜 (1)

どうして誰も気付かない?
評価:☆☆☆☆☆
 高校生男子の浦山実がクラスメイトの吉永寛子のAKB48入りをサポートするために、女装して浦川みのりになってオーディションを受けたら、秋山康に目をかけられて合格、研修生として選抜を目指すことになるという物語。選抜メンバーからも妙に気に入られて、いつの間にやら研修生チームのセンターになってしまう。
 アホみたいな設定で、どこかで誰かが気付くだろうと思うんだけれど、なんか目を離せない感じがする。読むとおまけでAKB選抜メンバーの名前が覚えられます。

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