村岡ユウ作品の書評/レビュー

むねあつ

暑苦しく汗まみれ
評価:☆☆☆★★
 山口県岩国市にある弱小柔道部のキャプテン正宗淳は、柔道は部内で一番弱いものの、努力だけは一番している。最近の彼の楽しみは、ランニング中にすれ違う藍川小春の姿を眺めることだ。そんなある日、東京から桐島篤が転校してきて、藍川小春に接触するようになる。
 そうして柔道部に入部してきた桐島篤は、藍川小春をマネージャーに誘うべく、部活見学に連れてきた。柔道に興味のない小春は帰ろうとするのだが、思わず淳は引き留めてしまう。そしてなぜか、篤と柔道で対決することになるのだった。

 主人公が弱くてボロボロでみっともないのだけれど、とにかく熱意と根性は人一倍で、それにほだされて仲間もついていく。そんな彼とは対極的な存在が桐島篤なのだが、彼は彼でスマートな見た目とは裏腹に男気にあふれていたりもする。
 とにかく暑苦しく、一方的に都合のよい結末も訪れない、どこまでも現実的な物語だ。

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