山本ヤマト作品の書評/レビュー

終わりのセラフ (2)

新しい家族
評価:☆☆☆☆★
 百夜ミカエラら同胞の犠牲の上に第七位始祖フェリド・バートリーから逃げ出した百夜優一郎は、日本帝鬼軍の一瀬グレン中佐に助けられ、吸血鬼への復讐のため、鬼呪装備最強の黒鬼シリーズを手に入れるべく、日々、暴れまくっていた。
 柊シノアの監視の下、早乙女与一と友達になった百夜優一郎の前に、君月士方という少年が現れる。一方、第三位始祖クルル・ツェペシの血を与えられ吸血鬼となった百夜ミカエラは、人間を滅ぼすため、地上へと派遣されようとしていた。

終わりのセラフ (1)

破滅の世界
評価:☆☆☆☆☆
 百夜優一郎が百夜孤児院に暮すことになったその日、世界中に致死性ウィルスがばらまかれ、世界は滅亡したはずだった。ウィルスが作用しない十二歳以下の子供たちは、地下から現れた吸血鬼たちに攫われ、地下都市サングィネムで家畜として暮すことになった。
 それから三年が過ぎ、十二歳となった百夜優一郎は、自分たちから血を抜き、家畜のような目で見る吸血鬼たちに対し、復讐心を募らせていた。同い年の孤児院のリーダーであるミカエラが、第七位始祖フェリド・バートリーに媚びるのも気にくわない。だがそれは、ミカエラの作戦だったのだ。

 茜など、孤児院の年下の子供たちの犠牲の上に、地上に脱出した優一郎は、世界が未だ滅びていないことを知る。日本帝鬼軍の一瀬グレン中佐に拾われ、吸血鬼抹殺の修行を積む優一郎だったが、四年後、彼が入れられたのは、監察官の柊シノアの監視付きの、普通の高校だった。

 「終わりのセラフ (1) 一瀬グレン、16歳の破滅」の将来を描く。最近、異能×学園ものというのが作者のお気に入りらしい。

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