ギリシア旅行記

項目 内容
正式名称 (首都) ギリシャ共和国 (アテネ)
通貨単位 ユーロ(EUR) (1 ユーロ=128.50円、2009/03/31現在)
人口 (国土面積) 約1.1千万人(2004年) (131,940ku)
GDP (ドル換算) 約0.3兆ドル(2007年)

 ギリシア(ギリシャ)の旅行記を年別に分類して掲載しています。

【2005年】


迷いながら、パトラ/アテネ

ヨーロッパ旅行 第二十八日(2005年5月18日水曜日)
 朝方、寄港地に到着。Patrasまではあと6時間くらい。まだ寝ていても問題はないだろう。しばらくして起きて、朝食をとりに行くと、もうほとんどレストランは閉まっていた。商品がない。朝の寄港に合わせてレストランが開店したのだろう、きっと。パンとミルクだけを購入。ちょっとオムレツが食べたかったなぁ。
 暇なので、ラウンジでコーヒーとケーキを食べる。

ラウンジ

たまには贅沢しても良いでしょ?これが船の中なんだからねぇ。電車や飛行機よりは、よほど快適。やはり、スペースを広げやすい利点を生かさないと、生き残っては生きないのだろう。
航跡

 こうやって海を見ていると、船に惹かれる人がたくさんいることが良く理解できる。アドリア海。晴れていたらもっと綺麗だったろうに。昨晩雨でも降ったのだろうか?甲板はびしょぬれになっていて、掃除をしている人がいた。

 パトラには30分ほど遅れて到着する。線路に沿って鉄道駅を捜し歩くが、見つからない。地元の人に教えてもらって行った駅は、どう見ても小さい。中に入って駅員に聞くと、Athena行きの電車は違う駅から午後3時に出ると言う。そこまで1キロくらいだと言うので、そちらに向かう。まったく反対方向に来ていた。また戻らなければ。僕の旅には、こういう寄り道があまりにも多い。
 戻っても良く分からず。仕方ないので、ホテルに飛び込んで、フロントの人に聞く。関係ないのに申し訳ない。彼に教えてもらった方向に行くが、見つからず。あるのはバスターミナルだけ。その方向にあるインフォメーションで聞くと500メートルほど戻れという。しかし、そのあたりに駅はなかったぞ…?
 戻ると、やはりあるのはバスターミナルのみ。仕方なしに、そこに入って聞いてみる。「鉄道駅はどこですか?」すると意外な返事が。「ここです。」ハァ?線路から遠いんですけど?とても鉄道駅には見えないんですけど?そこで、ユーレイルパスは使えるか?と聞くと、使えないという返事。それはおかしい。使えるはずなのに。
 それもそのはず、チケット売り場の人は、電車は無い、バスのみだ、と言い出す。そんな馬鹿な。アリエナイヨ?彼女には英語もあまり通じないし、そう言われてしまった以上、僕にできることは素直にバスに乗るだけ。すぐに出発だと言うから、慌てて乗り込む。汗ダラダラ。あ、しまった、トイレに行っておけば良かった!アテネには、5時間くらいはかかるだろうから、その間我慢できるだろうか?しかし、本当にパトラに鉄道駅はあるのか?これは未だに謎である。



 高速バスはビュンビュン飛ばす。クラクション一つでトラックも脇に避ける。…なんびとたりとも、俺の前は走らせねぇ!という感じ。ギリシアでは、高速バスは神なのだろうか。結局3時間ほどでバスターミナルに到着するも、これがどこにあるのかが分からない。次の鉄道予約もしたいので、とりあえずラリッサ駅に向かうことにする。
 チケット売り場でどのバスに乗れば良いか聞いて、バスの運転手さんに、どこで降りればよいか聞く。彼らは親切で、きちんと教えてくれた。案内に従い、地下鉄でラリッサ駅へ。駅員に、ラリッサに行くにはどの電車に乗ればよいか聞くが、”I don't know.”と言いやがる。そんなわけ無いだろ!中央駅だろうが!辛抱強く聞いて、やっと教えてもらう。こういう辛抱強さや、通じなくても通じるまで繰り返す我慢強さが、旅をするに従って身についていく。

 アテネ駅は2つあり、一つは、パトラなど、ペロポネソス半島からの電車が止まるペロポネソス駅。もう一つは、ヨーロッパにつながる電車が止まるラリッサ駅である。このように分かれているのは、ギリシア国内の線路の幅が、ヨーロッパスタンダードよりも狭いためである。ともかく、ラリッサ駅は、アテネとヨーロッパの各都市を結ぶ、重要な駅なのだ。
 そんな事前情報を持って、ラリッサ駅に到着。愕然とする。何ですか、このしょぼさは。ホームは2つしかない。駅舎は平屋。駅員さえいなければ、無人駅と言っても良いくらい。軽食屋さんがついているのがせめてもの救いか。
 しかし、あきれている暇は無い。とりあえず鉄道の予約をしなければ、ここから脱出できなくなってしまう。まずは人がたくさん並んでいるところに並んでみる。ようやく順番が来て聞くと、ここではなく、向こうのカウンターに行けと言われる。忠告に従い、通路でつながった別の窓口へ行く。また並ぶ。ここでも買えないらしい。さっきの道を戻ったところにあるインフォメーションに行けと言われる。向かう。インフォメーションでは、コーヒーショップの向こうにある、チケット売り場に行けと言われる。3つ窓口があって、国内用と国外用があるから、と。しかし、それはどう考えても先ほど売っていないと言っていた窓口だ。まぁ、もう一回行ってみることにする。でも、やはり買えない。また戻る。また行く…。たらい回し!ホームの端の方まで行ってみたりして窓口を探すが、他には無い。最終的に、3つの窓口のところで強い口調で聞くと、彼女は悩んだ末に、Thessalonikiで予約するしかないだろう、とのたまわれる。そんなアホな!その国の首都で鉄道予約ができないなんてことがあるのか、一体。ぜんぜん理解できない。ともかく、もう、この駅には期待できないので、明日、市内にある国鉄の予約窓口に行くことにする。疲れた。無駄足だ。



 宿はすぐ見つかった。施設としてはそこそこ。部屋も広い。ただ、扉がオートロックなのに、鍵が一つしかないので、中に人がいるときにはノックをして開けてもらわなければならないのが不便と言えば不便。気を使う。
 近くにレストランが無かったので、スーパーでトマトや牛乳、ファーストフードの店で、羊肉の串焼きパン包み、見たいなものを買う。なかなか美味しかった。

混迷深まる、アテネ

ヨーロッパ旅行 第二十九日(2005年5月19日木曜日)
 何はともあれ、列車予約。脱出手段確保が最優先事項である。このままでは、アテネで朽ち果てる結果にもなりかねない。
 アテネには、国鉄予約事務所が2つある。まずはオモニア広場にある、宿から近い方へと向かう。ところが、ここでも国際列車の予約窓口はなく、国内窓口の人に訊ねると、電話番号を書いてよこした。そこに電話しろということらしい。ギリシアでは、出発3日前まではアテネ近郊に限り、電話予約が可能らしい。そして、近くの駅でチケットを受け取る。しかし、そんな悠長なことをやっている暇はない。明日には出発したいのだから。
 もう一つの事務所はアテネ大学のそばにある。浮浪者のような青年が大学そばにおり、通り過ぎる人々が顔をしかめていた。ここの事務所には、国際窓口があった。ああ、やっとまともな窓口が…。感動もそこそこに、チケットが買えるか聞く。ユーレイルパスは、ギリシアとハンガリーにしか通用しないので、間のブルガリアとルーマニアのチケットを買わなければならないのだが、そのことを指摘される。ギリシアではじめて話が通じてホッとする。こんな当たり前の指摘で感動するなんて!でも、チケットをもらって驚いた。手書きなのだ。カーボンコピーをとっているのだ。一体いつの時代に住んでいるんだ?



 とにかく、予約できたので一安心。でも、これまでの経緯から、ギリシア国鉄には深い不信感を抱いているので、テッサロニキで問題が起こる可能性は否めない。しかし、いまから心配しても仕方のないこと。ここからは観光を楽しもう。

 アテネに来たのならば、アクロポリスを見ないわけには行かない。何はともあれ、そちらを目指すが、山の上に遺跡は見えれども、どこから入ったらよいのか分からない。とりあえず登ってうろちょろ。

アクロポリス

途中、現地人と間違えられ、ギリシア人に道を聞かれた。スーパーのプラスチックバッグを持っていたからかなぁ?山を登っている途中で、放し飼いの犬に追いかけられた。小学生には拝まれた。仏像じゃないぞ!何とか入り口を見つけてチケットを購入。6ヶ所の遺跡の共通チケットらしい。日本人のおばさんが、高い、とブーブー言っていた。
 まずは、劇場。

アクロポリス

確か、去年ここで、ベルリンフィルとSir.サイモン・ラトルが演奏を行っていたはず。テレビで見たような記憶がある。今でも十分な音響効果が期待できる施設だということだろう。当時は、肉声で話していて聞こえていたのだから、よい音響設備なのも当然といえば当然か。
 パルテノン神殿。

パルテノン神殿

ご覧の通り、観光客や学生の団体がいっぱい。近づくのすら一苦労。

パルテノン神殿

山の向こうに少しだけ、エーゲ海が見える。もしもう一度ギリシアに来るとしたら、エーゲ海クルーズがしたくなった時だけだろうな。たぶん。

パルテノン神殿

この神殿を見て感じるのは、神という絶対的なものに対する、強い恐れ。神殿の上の彫刻からも、それを感じる。もしくは、そう思わせて支配しようとした誰かがいたのかもしれないが。

パルテノン神殿の博物館

付属の博物館。蛇に対する信仰は、エジプトにも見られたはず。何か共通点があるのだろうか。僕にとっては、蛇は単に気持ち悪い動物だが…。

 せっかくなので、このチケットでは入れる他の遺跡も回ることにする。

ディオニソス劇場

ディオニソス劇場。

ディオニソス劇場

点々と紅い花が咲いている。遺跡自体はボロボロになってしまっているが、かつてはここで演説をした人がいたのだろうと思うと感慨深い。しばし座席につき、感慨にふける。

ゼウス神殿

ゼウス神殿。

ゼウス神殿

本体は、柱が数本残っているだけ。

ローマンバス

面白かったのは、ローマンバスがここにもあったこと。ローマ帝国の影響の広さを、あらためて実感する。

教会

 土産物屋が建ち並ぶ通りにあった教会。

教会

かなり今までと趣が違う。内部は暗く、赤い光がともっていた。イコンもたくさんある。本当は写真を撮りたかったが、そういう雰囲気ではなかったので諦めた。

アテネのデモ隊

 途中、デモと遭遇。警官隊がたくさん出ていた。緑色の制服の警官もいた。

ローマンアゴラ

 ローマンアゴラ。

ローマンアゴラ

街の真ん中に、ポツリとある遺跡。一見、ただの空き地のようにも見える。

古代アゴラ

 古代アゴラ。敷地はかなり広い。

古代アゴラ

シンプルな教会。

境界のイコン

だいぶ破損しているようで、保存状態はそれほど良くないが、宗教観のようなものは感じ取れる。ここでは、ヨーロッパ人が展示品に触りながら写真を撮っているところを見つかって、怒られていた。文化財は大切にしようね?
 かなり長いこと歩いて、はずれの方まで。最後の遺跡。チケットコントロールが居らず、そのまま入れてしまった。

ケラメイコス遺跡

ケラメイコス遺跡。何の遺跡かはよく知らない。資料館のようなものもついていた。

ケラメイコス遺跡

こんなのを見ると、ただ放置してあるようにしか思えないなぁ。

 宿に帰る。ランドリーの位置が良く分からず、何度もレセプションに尋ねた。宿から5分ほど歩いたが、施設自体は、アテネに似合わず(失礼!)すばらしく近代的。快適に洗濯する。途中、警察署があるのだが、サブマシンガンをぶら下げて歩哨をしているのが、日本との違いを実感させた。道路より下の部分にも住居があり、窓を開けっ放しにしているので、中が良く見えてしまう。さすがに目が合ったときは気まずかった。ナポリにもこんな家があったなぁ。家賃が安いんだろうか。
 宿の近くの道路で、交通事故現場に遭遇。乗用車の扉が開いているにもかかわらず、脇をトラックが通過したために、ドアが反対側に曲がってしまっている。ドライバー同士が、すさまじい罵り合いをしていた。

異国情緒たっぷり、テッサロニキ

ヨーロッパ旅行 第三十日(2005年5月20日金曜日)
 アテネからテッサロニキへ移動開始。テッサロニキ行きの電車はラリッサ駅で予約できていた。ただ、予約券が、メモ用紙に座席番号を書いて窓口のハンコを押しただけのもの。信用ならない。案の定、よく見たら、夜行電車の列車番号だった。そんな電車乗るなんて言っていないのに。ちゃんと時刻を書いたメモを渡して頼んだのに、それを見もしなかったんだな?いい加減だ。



 仕方ないので、予約なしで乗る。乗るだけならば、ユーレイルパスでできるはず。突然到着する電車の順番が入れ替わってびっくりした。たとえ言葉を理解できなくても、アナウンスには注意して、地名を聞き取る努力をしないと乗りそこなうこともある。この電車は1等車は1両しかなく、しかも予約でいっぱいだったようなので、2等車に乗るが、2等車もいっぱい。何とか空いている席に座ったが、発車してから20分くらいして、老夫婦が現れる。彼女達が予約していた席だったようだ。いきなり怒鳴りつけられるから驚いた。当然そこは譲って、他の人が荷物を置いていた席を空けてもらう。その人は迷惑そうだったけれど、仕方ないでしょ?

 5時間超の長旅を経て、テッサロニキへ。出発までは8時間くらいあるので、観光をする。ここは、ヴィザンティン帝国の影響下にあったので、アテネとは多少文化が違う。今もそのことが顕著に見られるのが教会などの建造物である。

テッサロニキの教会

 あいにくの曇り空。雷がゴロゴロと鳴っている。いつ雨が降り出しても不思議ではないのだが、かといって閉じこもっているわけにもいかない。何度目の後悔か知らないが、預けた荷物から傘を持ってきておけば良かったと思う。愚かしい。

テッサロニキ

 駅からいきなり方向を間違えて中国人街のようなところに紛れ込んだりしながら、しばらく歩いて到着した凱旋門。普通はバスを使って来るべきところ。雨が降りそうなので、見学スピードが自然、早足になる。

テッサロニキ

すぐ奥にあるこの建物を見たあたりから、雨が降り出した。しばらくして土砂降りになる。店の屋根を通りながらやり過ごそうと思うが、やり過ごしきれず。ケーキ屋さんに入る。

 バーなどのお店では、バックギャモンに興じるギリシア人がたくさんいる。この時間には、いつも遊んでいるのだろう。楽しそうだ。ケーキとグリークコーヒーを注文。グリークコーヒーは、粉が沈殿していて、薬のような味がする。そのくせ、すごく甘い。水が一緒に出されなかったら、嫌な味が口の中に残ってしまったかもしれない。ウエイトレスのお姉さんには、そっけなくされる。僕の注文が何か変だったのだろうか?良く分からない。
 雨がやんだので、観光の続きをする。

テッサロニキの教会

この教会には、観光客がたくさんいたので、写真を撮るのに気兼ねをしないですんだ。

テッサロニキの教会

この雰囲気が独特。でも、アテネにあった教会にも、こんな感じのところがあったなぁ。

テッサロニキの遺跡

 近くにあった遺跡。向かい側には考古学博物館がある。僕がそちらの方を向いていたら、通り過ぎたおっちゃんが、この遺跡を指し示しながら何かを言っていた。おそらく僕に何事かを教えてくれたのだろうとは思う。ギリシア語は分からなかったけど。

 駅のほうに向かいながら、途中のお店でご飯を食べる。グリークサラダとケバブ。量が多くてお腹がいっぱいになった。このお店のお姉さんが、妙に色気を振りまきながら歩く方で、見ていて面白かった。お店のウェイターとウェイトレス2人の人間模様が面白そう。店の前でケンカしないでね。
 道を歩く人を見ていると、自分に自信を持っているのが分かる。多少太っていても、へそだしの服で平気で歩いていたりするし、胸が少し小さくても、胸が目立つ感じの服を着て、胸を張って歩いている。カッコイイ。

 荷物預かりから荷物を受け取る。3ユーロのところ、5ユーロを渡したら、中で話し込んでいて、なかなかお釣りをくれない。金額を知らなかったらもらい損ねるところ。
 掲示板にブダペスト行きの表示が出て初めて、安心する。切符があっても電車がない可能性すら考慮したからな。ギリシアの国鉄は最後まで気を抜けない。僕の座っているベンチに、アラブ系の親子が座る。お弁当は、アルミホイルに包まれたバケットのサンドイッチ。日本ならばあの中身はおにぎりなんだけれどな。彼らは交代で、暇つぶしに音楽テープを聞いている。でも、早回しにして聞いているのは、ただ遊んでいるだけなの?
 ギリシアに関しては悪印象が強かったので、何か良いところを見つけようと、待ち時間に思い起こしてみる。店が早く開くのは良いところかな?でも、こんな努力を無にする事件が次に起こった。
 到着した電車に乗り込もうとすると、車掌に止められる。この電車では、寝台車は高級車両なので、車掌のチェックが入るらしい。チケットを見せると、車掌の反応がどうもおかしい。正当なもののはずなのに?後から来たバックパッカーの女の子を先に乗せ、あとからついて来いと僕に言う。おとなしくついていって、僕のベッドがあるはずの部屋まで来ると、このベッドが使われることは聞いていない、と言い出す。は?
 どうも、アテネからの連絡が届いていないらしい。だから、僕が乗る予定であることを知らなかったようだ。最終的には、部屋を使えるようにしてくれたが、この件で僕のギリシアに対する印象は、さらに悪化することとなった。鉄道の連絡には、飛脚でも使っているのですか?



 この列車は、1日半かけて、ハンガリーへと向かう。食堂車はなく、僕が持ち込んだ食料は、クッキー3パックと、水が3リットル、ジュースが1.5リットル。こんなに長い間電車に乗るのは初めて。どうなることやら。
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