ハンガリー旅行記

【2005年】


芸術薫る、ブダペスト

ヨーロッパ旅行 第三十二日(2005年5月22日日曜日)
 再び、パスポートコントロールでたたき起こされる。午前6時。夜討ち朝駆けか!こんな変な時間に国境を通過するのはやめて欲しい。ルーマニアの出国審査は厳しい。乗客に厳しいというよりも、客車に対して厳しい。どの国境でも、扉を開け放って検査するのは当然だけれど、ルーマニアは、はしごを持ってきて屋根裏をチェックしたり、犬を連れてきたりしていた。EUに加盟したら、もっと簡略化されるのかな?
 無事ハンガリーに入国。なんか、ドキドキする。学部1年のときに、なぜかハンガリー語を受講していたが、そのときには自分がハンガリーに行くなんて思いもしなかった。感慨深い。到着前に、車掌さんがわざわざ到着すると知らせてくれた。丁寧な仕事だなぁ。

 ブダペスト東駅に到着。まずはウィーン行きの電車の予約を行う。建物自体が年代がかっている上に、照明が暗めなので、時代がかった雰囲気がある。日本でたとえるならば、大正時代という感じ。チケット窓口はたくさんあるのに、開いているところはわずか。おとなしく並ぶ。
 とりあえず、15,000HFT(ハンガリーフォリント)をATMで引き出す。大体8,000円くらい。それを持って、観光案内所でブダペストカードを購入する。ここのメトロはチケットコントロールがうるさいと聞くので、滞在中は1秒たりともチケットを切らしたくない。売り場のお姉さんがいない。同じ部屋に窓口を持つ、YH予約のお兄さんは3分で帰ってくるとか行っていたけれど、戻ってくるまでに10分くらいかかった。観光地では見慣れた光景になってきたが、お姉さんが日本語で挨拶してくる。僕は英語で挨拶したけれど、ハンガリー語で切り返せば面白かったろうに。しっぱい、しっぱい。
 構内で、アコモデーションの客引きに遭遇。予約があるからといって切り抜ける。次のために、といって案内をもらったが、日本語でも説明が書いてあった。僕の宿は西駅の近くにある。地下鉄に乗ったら、早速チケットコントロールにあう。噂にたがわぬ厳しさ。西駅の隣には、あの有名なマクドナルドがある。あとで中に入ってみよう。



 少し歩けば、宿に着く。郵便局も近くにあるので便利だ。スーパーもある。今日は休みだけれども。ブザーを押してもドアが開かないので、入り口の鍵を、偶然すれ違った人に中から開けてもらって建物の中に入ると、僕が泊まる予定の宿の前で、大阪のおじさんと思しき人がもめていた。近づいて事情を聞くと、いっぱいで泊まれないので、次の宿を紹介してもらっていたらしい。しかし、その方はあまり英語が得意ではなく、どこを紹介してもらっているかが良く分からないらしい。不肖、私が仲介をさせていただきました。僕程度の技量で仲介とは、恥ずかしい。でも、宿の人がその人に対して呆れた感じで笑っていたので仕方なし。どこかに無事泊まれれば良いけれど。
 宿代は現金で払わなければならないということで、もう少し現金を引き出すことにする。先ほどと同じくらい引き出せばよいと思い、西駅のATMを使用する。同じ要領で引き出すと、どうも出てきたお札がおかしい。一万Ft札が15枚ある!機械の故障かと思い、明細を見ると、0が4個ある。15万Ft!東駅のATMは金額設定が、千や万のオーダーだったので、そのつもりでボタンを押してしまったが、西駅のそれは、万や十万のオーダーだったようだ。ピーンチ。
 かなり動揺す。どう考えても再両替するしか道はない。しかも、この国でやっておかないと戻せない可能性もある。さっさと交換したいが、日曜日で休みの両替商も多いし、いくら戻すかも難しい。戻しすぎて、もう一度フォリントを引き出すのも馬鹿らしい。しばらく保留にすることにする。

 ブダペストでやろうと思っていることの一つが、芸術鑑賞。情報を入手するために、インフォメーションへ向かう。紆余曲折の末、コンサートやオペラの情報誌を入手する。それによると、今日はオペラ座でヴェルディの「オテロ」、リスト音楽院ではクラシックコンサートがあるらしい。まずはオペラ座に向かうが、どうも扉が開いていないよう。チケットはここで買えるはずなのに。諦めて、リスト音楽院へ。中に入って、チケット売り場のお姉さんに今日のチケットが残っているか聞く。十分残っているようである。僕はコンサート自体初めての経験なので、一番安いチケットにしておく。といっても2種類しかないのだが。あまり良い席に僕のような素人が座るのは失礼な気がするからね。
 チケットゲット。1,200Ftなので、700円ちょっとかな。それでプロの演奏が聞けるというのはすごい。演目は、Mozart: ハフナー、Hidas Frigyes: オーボエ協奏曲、Rimszkij-Korszakov: Seherezade。 ちなみに僕は、最初の曲しか知りません。指揮者はKovacs Janos、オーボエがBartok Tamas。演奏がBudafoki Dohnanyi Erno Szimfonikus Zenekar。ハンガリー語なので意味不明。多分後半は、交響楽団という意味だろう。

 本日の予定が立ったので、少し余裕が出る。でも、多額のファリントが気になって仕方が無い。さっさと両替してしまうことにする。郵便局そばのところで日本円にする。でも、2万円くらいしか両替できなかった。確かに、そんなに日本円を持ってるわけないよなぁ。西駅の両替所は、さっきのところよりも、掲示されている円表示の額が少ないので損をすると思っていたが、よく考えると、少ない方が日本円の価値が高いので、得をするのである。両替なんかしたことないので、うっかりしていた。結局、3ヶ所の両替所を使って、大部分を日本円に戻す。出国前より日本円が増えるって、どういうこと?

 少しホッとしたので、ご飯を食べることに。ここ2日は、まともなものを食べていなかったので、しっかり食べるぞー!
ハンガリーの食事

豪華です。サラダは、中華風ドレッシングの油を抜いて、味を濃くした感じ。もう一つは、ターキーのグリルマスタードソース?とでも名づけましょう。あとは、サワークリーム入りのベーコンと豆のスープを食べました。満足。少し食べ過ぎたかも?

 聖イシュトヴァーン大聖堂まで歩く。オペラ座の前を通過。この通りは、世界遺産に指定されているんだよなぁ。またオペラ座には来るつもりなので、そのときに写真を撮ろう。

聖イシュトヴァーン大聖堂

西側の教会に比べて、立方体に近いかな。西の教会は、直方体という感じがする。

聖イシュトヴァーン大聖堂

内部装飾は華麗。教会というよりも、宮殿のように見える。

聖イシュトヴァーン大聖堂

奥まった部屋にあった聖遺物。どうも、イシュトヴァーンの手らしい。栄光の手。何でこんなものがあるのかは良く知らない。この聖堂は、お金を払えば塔に登ることもできる。知らないでチケットを購入してしまったので、登ることにする。

聖イシュトヴァーン大聖堂

エレベーターもあるけれど、がんばって階段で登る。上からの眺めは、まあまあかな。

 いったん宿に帰ってシャワーを浴びる。部屋の中はとても清潔に保たれている。経営している奥さんがとても綺麗好きのようで、整理整頓されていないと気が済まない様だ。こちらも綺麗に使えば良いだけのことなので、とても快適。ここは、ランドリーサービスがあって、洗濯をしてくれるらしい。

 ジャケットを持ってコンサートへ。Tシャツの上から羽織っておけば十分だろう。まずは腹ごしらえということで、有名なマクドナルドに行ってみる。

世界一豪華なマクドナルド

天井は高いけれど、内装はそれほど豪華だとは思えない。ただ、スペースは広いし、お客さんもそれほどいないから、豪華に見えるかもしれない。セットを注文したら、いつの間にか900Ftにもなっていた。お姉さんの笑顔にだまされた!でも、これがベースの金額だとすると、ハンガリーの物価から見れば少し高い気がする。大体、マクドナルドって、どこの国でも日本円で同じくらいの値段だよな。昔、マックの値段で物価水準を比較するという指標があったけれど、あれはあまり当てにならないと思う。
 歩いて会場であるリスト音楽院に向かう。ちょっと歩くけれども、歩ける距離だというのが嬉しい。この時間になると、カフェテラスにお客さんがいっぱいになっていて、歩きづらい。

リスト音楽院

会場が開くと同時に中に入る。遅れて入って、人に迷惑をかけたくない。席は、2階の3列目の端だった。僕的にはなかなかの席だと思う。ステージも見えるし。少し値段の張る席が、1階席なのだろう。端の席に座っていたら、ハンガリー人と思われる婦人が、無言で僕の隣に立った。どうも、奥の席らしい。慌てて立って、道を譲る。何か言ってくれればこちらも気づきやすいのになぁ。それとも、端の人は座らないで待っているのがマナーなのかな?よく分からないや。
 僕の斜向かいの席に、足の不自由な老紳士が、女性に手を引かれて現れた。音楽にかける情熱。僕の隣は、アメリカ人男性と娘ほどの年齢の女性が座った。男性が、女性に対して薀蓄を語っている。なるほど。へー。

 初めの曲は、モーツァルトから。僕の記念すべきコンサートデビュー曲。音楽のことは良く分からないけれど、音をはずさないし、乱さない。音が空気の振動だということを実感させてくれる。そして、広がった音がある瞬間に、残響を残してパッと消えるときが気持ちが良い。この消える瞬間まで拍手が出ないのが、僕としてはありがたいな。たまにCDを聞いていると、先を競うように拍手をする人達がいるけれど、あれはもったいない気がする。2曲目のオーボエ協奏曲は、華やかでやわらかい。初めはモーツァルトかと思った。オーボエの調子が悪いらしく、何度も抜いて調整していたのが気になったが、第2楽章の音はうっとりと聞かせていただきました。
 ここで休憩。1階にはバーが出ていたけれど、僕は2階の自販機で紅茶を買いました。20Ft。安いです。かなり甘かったけれど。しかし、コンサートって良いものですね。初めての経験で、病み付きになりそう。席に戻る。隣のアメリカ人は帰ったらしい。僕の後ろの席の人が、隣にずれろというのでずれる。やはり見づらかったのだろうか。申し訳ない。
 3曲目も知らない交響曲。知っているものの方が少ないけどね。それでも、主題に引き込まれました。コンサートマスターは、やはり上手い。旋律が会場を支配する。それに合わせて他の弦や管楽器が音を重ねていく部分には感動させられました。良く分からないけど。

 こんな気持ち良いままで眠れる自分は幸せだと思う。絶対に、オペラのチケットも取ってやる。ところで、ベッドがかなり空いている。これでなぜ、あの大阪のおじさんは泊まれなかったのだろうか。

世界遺産、ブダペスト

ヨーロッパ旅行 第三十三日(2005年5月23日月曜日)
 昨日はドナウ川を見ることができなかったので、今日こそはゼッタイ、見に行ってやる。でもその前に、オペラのチケットを購入しなくては。国立オペラ座のある通りは、世界遺産に指定されている。

アンドラーシュ通り

アンドラーシュ通り。建物と並木が古いヨーロッパという雰囲気をかもし出している。パリを時代がからせた感じかな?ここでも綿毛が飛び交っている。オペラ座につくと、すごい行列ができていた。係員によれば、チケットの行列らしい。午前11時に開くと言う。おとなしく並ぶことにする。
 ジリジリと日差しが照りつける。でも、これでチケットが手に入れば、昨日のような感動が得られるはずなので、1時間やそこら待つことは苦にならない。並んでいる人達は、日陰を求めて移動する。ようやく行列が移動し始めて中に入ったら、警備の人に声をかけられる。その言葉に愕然…。この行列は、現地の人の定期公演のチケットを求める列だったらしい。通常のチケット売り場は別のところにあるらしい。彼に思いっきり笑われる。
 新たに並びなおす。前でチケットを買っている現地のおばさんが、しつこいくらいに座席にこだわっていて、とても時間がかかっている。僕の後ろに並んでいる人も呆れ気味。ようやく順番が来たら、あっさりとチケットが買えた。初めてなので、一番安いところにしておく。800Ft。楽しみだなぁ。

 ドナウ川を目指して歩く。くさり橋に出たときには、思わず感嘆のため息をついてしまった。

くさり橋

太陽をうつした川面がキラキラと光って、両岸を照らし出している。

くさり橋

橋の構造物が邪魔だったので、車が走りかう中を無理矢理渡ってしまいました。そのくらい感動的。街中を歩いている人を見ると、画学生のような人をたくさん見かける。パリのルーブルの中にもたくさんいたけれど、やはり芸術の街なのかな?ヨーロッパでは、地下鉄や街中にヴァイオリンなどの楽器弾きがいるのは普通だけれど。

 ケーブルカーを使って、王宮の丘へ。このケーブルカーはブダペストカードが使えなかった。なぜだー!登りきると、ちょうど宮殿?では、衛兵の交代式が行われていた。

王宮

これはケーブルカー出口のところにあるのだが、変なおじさんが、「写真を撮れ!」と英語で薦めてくるので、スリかと思い警戒して、シャッターチャンスを逃してしまった。残念。警戒心も重要だが、そればかりでもつまらないなぁ、と思う一瞬。

王宮

王宮です。中は博物館になっているよう。ここらに地下迷宮があるはずなのだが…。まあ、どうでも良いので、外から見るだけ。

マーチャーシュ教会

 そこから少し北上すると、マーチャーシュ教会がある。

マーチャーシュ教会

見えるかどうか分からないが、内部装飾が独特で、東方の影響を受けたと思われる。
 ここから外に出ると、ブダペストを一望できる展望台がある。

漁夫の砦

漁夫の砦。刺繍を売っているおばさん達がたくさんいた。彼女達は僕に対して不審の目を向けてくる。よほど僕が貧乏人に見えるのだろうな。買いそうも無いと…。

漁夫の砦

そして、そこから見下ろすドナウ川沿岸の風景。本当に美しい。

 山を徒歩で下っていって、橋を渡る。

くさり橋

くさり橋方面を眺める。こっちから見てもきれいだなぁ。

中央市場

 中央市場です。昼時を過ぎているので、閉まっている店も多い。なんか綺麗過ぎて、観光客用なのかな、と思ってしまう。築地のような異様な活気が無い。実際、値段も高いものがあり、地下にあるスーパーの方が安かったりする。そこで、トカイ・アスーの3を2本購入する。これは、世界三大貴腐ワインの1つに数えられるもので、数字はその甘さを示し、1から6まである。多い方が甘い。当然値段も高い。ルイ14世が、ワインの王様と評したらしいが、その味の程はどうなのだろうか。日本に帰るまでの楽しみだ。
 市場の周りには、美味しい食べ物屋さんがあるはず!という確信に基づいて、近くのお店で遅い昼食をとろうと思う。期待に違わずレストランはあるが、観光客目当てのお店群の様だ。その中の一軒に入る。グヤーシュというスープとレバーのソテーを食べる。トイレに行こうと思ったら、このお店自体には無く、共同利用で、しかも有料だった。入り口で引き返す。期待はずれ。よく見ると、このお店には多数の種類のビールがあった。ベルギーもある。これを注文してもよかったな、と思ってみていると、なかなか注文したビールが来ないのか、クレームをつけに来る客がいた。種類が多すぎて、店の人が把握し切れていないらしい。でも、EU諸国では関税がかからないから、結構手軽に他国のビールも手に入るんだろうなぁ。うらやましい。

 街中や地下鉄でいちゃついているカップルを見かけるのは別に良い。西側よりもベタベタしているけど、それも慣れた。彼女のお尻のポッケに手を突っ込んでいたって、キスしていたって良い。でも、ペチャペチャ音をさせるのはやめて!生々しすぎる。
 地下鉄のチケットコントロールは、旅行者から罰金を取るのを目的としているように感じられる。今日、出会ったチケットコントローラーは、僕と地元のおばさんが同時に立ち止まったにもかかわらず、チェックもせずにおばさんの方は通して、僕だけに提示を求めた。(一応説明しておくと、メトロで正当な切符を持っていない場合、何十倍もの罰金を請求される。)こういうやり方は、不公平だと思います。
 スーパーで夕食を購入する。宿で電子レンジを使えるのが大きい。物価は安いものと高いものがあり、卵などは日本に比べると高い。ビールを買うが、宿は飲酒厳禁なので、西駅構内のベンチで飲む。なんか、哀れ。

 同室の日本人二人に誘われ、夜遅くに外に出る。店はほとんど閉まっているのだが、午前0時までやっているバーに入る。話を聞くと、二人ともアムステルダムではマリファナに手を出してきたらしい。あそこではそれをやるのが当然という口調。そりが合わない。まともに会話する気にもならず。

宗教さまざま、ブダペスト

ヨーロッパ旅行 第三十四日(2005年5月24日火曜日)
 ブダペストという街は、2つの部分から成り立っている。ドナウ川を境界として、西側(丘陵側)をブダといい、東側(平野側)をペスト(ハンガリー語ではペシュト)という。ブダペストといえば温泉が世界的に有名である。にもかかわらず、それに関しては僕はまだ何も見ていない。そこで、入るかどうかは別として、そちら方面に足を伸ばすのが、今日の目標である。

 まずは、シナコーグ(ユダヤ教会)の見学。

シナコーグ

ユダヤ教会は、壁面などにダビデの星(ヘキサグラム)があるので、すぐに区別できる。ボディチェックを通過して、中に入ろうとしたら、入り口のひげのおじさんが、僕にだけ、色々と注意してくる。頭の上に帽子?(注:キッパ、頭に乗せている小さい被り物)をかぶれ、写真は撮るな、などなど。その前に入ったヨーロッパ人は、写真を撮りまくっているにもかかわらず、注意すらしない。この待遇の差は何なのか。あまりにも腹が立ったので、こっそりと写真を撮ってやりました。

シナコーグ

こういうことをするから怒られるのかもね?
 あまりにも閉鎖的な環境に嫌気がさしたので、さっさと帰ろうと思うが、どこから出たら良いのかが良く分からない。入口には金属探知機があるから、逆走する訳にもいかないと思う。隣に博物館があったので、そちらが出口かと思い、中に入る。中は、ユダヤ人関連の資料。当然、ホロコーストの資料もあった。

シナコーグ

非常に暗い、心が重くなる内容。写真を撮る雰囲気ではないのだけれど、あえて記録のためにとっておいた。こっそり撮ったのでブレているけれど。1室だけなのだが、明らかに死体の、写真などもあり、見ていてつらくなった。ユダヤ人から見れば、日本人も虐殺の仲間なのかもしれない。さっきの嫌な態度も、少しは許せる気分になった。中庭に行っても出口はなく、結局、逆走しないと出れないようだ。

 博物館にでも行こうと入口まで行くが、カメラを持って入るのに5000Ftも取られるというのでやめた。
 ブダ側に渡り、てっぺんを目指して、ゲッレールトの丘を登る。えっちら、おっちら。

ゲッレールトの丘

右側にある木が、白い綿毛をつける木。まるで、アメリカシロヒトリがついている木のようだ。頂上には、「シュロの葉を掲げる女神像」がある。これをバックに写真を撮っていた団体に、”Wait please.”といわれるが、狭い場所なので、どこに逃げたらよいのか分からない。

ゲッレールトの丘

そこからドナウ河を見下ろす。ここからの景色も綺麗だ。がんばって登ってきたかいがあった。バスでお手軽に登っても、この感動は味わえないよ、と負け惜しみを言ってみる。

ゲッレールトの丘

 下から見た、丘。さっきはあそこに登ったんですよ。このあたりに、レストランがあるはずなので、行ったり来たりするが、見つからない。仕方ないので、お土産物屋さんが多い通りに行くことにする。

 適当なレストランに侵入。今日は、フォアグラが食べたい気分。ハンガリーはフォアグラの産地として有名なのです。

レストラン

チキンスープ、卵入り。次はメインのフォアグラのソテー、フルーツソースが来たのだが、どうも期待していた味と違う。ただのレバーにしか思えない。他のところで食べたことが無いので、比較ができないが、どう考えても、これが世界三大珍味とは思えない。さっき見つけた高級レストランに入っておくべきだったかと後悔する。実は、この日は現金をほとんど持っていなかったので、カードが使えるところにしか入れなかったのです。
 僕は、店の中に入ったのだけれど、テラス席が大人気のようで、なかなか勘定をしてもらえない。現金で払ってくれといわれるが、カードしかないので仕方なし。我慢して待つ。ここまでほうっておかれると、逃げちゃうよ?まあ、そんなわけにも行かないので我慢して待っていたら、すごく遅くなってしまった。今日はオペラに行かなければならないので、早く宿に帰らないとならない。結果、温泉の方には行けなくなってしまった。残念だ。

公園

帰り道の途中で迷い込んだ公園。歩行器(車輪なし)を使って散歩している老夫婦を、しばらく眺めていました。
 スーパーで晩御飯の買い物をして宿に帰る。残りの旅程のうち、唯一宿の決まっていなかったベルリンのホテルを予約。1泊しかないので、シングルルームを予約しておきました。残念、色っぽい展開にはなりません。何をするかって?ビールを飲むんですよ、スーパーでいっぱい買って。

晩御飯

 本日の晩御飯。右はひき肉のクレープ包み、クリームソース。レトルト食品のグランプリをとったやつらしく、その評価に違わぬ美味しさだった。左側は、ポテトとズッキーニとパプリカとたまねぎの炒め物。味が薄く、それぞれのまずいところしか出ていない。水分の多いものを凍らすな!肉団子でも買って来て、味に変化を加えたら食べきれたかもしれないが、残してしまいました。ごめんね?

 オペラ鑑賞に出発。ここも歩いていけるので嬉しい。

オペラ

入口で、ダフ屋に声をかけられました。中に入って、案内の人にチケットを見せると、外に出て、別の入口から入れとの指示。脇から入って、階段を登る。登る。

オペラ

5階席に到着。リュックを持っていったら、クロークに預けろといわれる。他にも荷物を持っている人はいるのに。不満に思いつつも預けると、金を請求された。金取るんかい!まあ、これが常識なんだろうな。パンフレットをいらないかと聞かれるが、どうせ金をとる気だろうと思い、にべもなく断る。僕に、「クロークに預けろ」といった人なので、事情を汲み取ったのか、苦笑を返してきた。
 ごらんのように、舞台は何とか見える席。少し座席が硬く、前方にゆとりがないのが不満。

オペラ

天井にはフラスコ画が。かなり豪華です。居慣れない空間に、ドキドキ。
 演目は、Szokolayの、Blood wedding。まったく分かりません。かなり抽象的な内容で、しかもハンガリー語。字幕は舞台の上に出るけれど、読んでいると舞台が見れない。結局内容は良く分からず。それでも、歌手の歌声のすごさには驚かされた。寝転がって話しても聞こえるんだもん。ただ、オケの音が派手すぎるのか、歌が弱いのか、かき消されていた場面が多かったのが残念。指揮者は結構若かったけれど、性格なのかなぁ。そこは芸術監督がフォローして欲しい気がする。やはり、純粋に音楽の方が分かりやすいかもしれないと思う、ブダペストの夜。
ホーム
inserted by FC2 system