【2005年】
料理色々、プラハ
- ヨーロッパ旅行 第三十八日(2005年5月28日土曜日)
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朝食には、かぼちゃの種のパンが出た。やっぱり、健康ブームでしょ?結局、ウィーンでは一度もU-バーンのチケットコントロールを受けることがなかった。
午前11時8分に出発する予定だったが、例のごとく遅れる。今回からはユーレイルパスが切れているので、2等車に乗る。幸い隣の席が開いている。パスポートコントロールは、停車することも無く、二人一組でチェックに回ってきた。でも、どちらも、パスポートの変なところにスタンプを押しやがった。途中、プラハに向かうと思われる、現地の若者の団体が乗り込んできた。
しかし、暑い。西側の席に座っているので、西日が当たる。さっきまではエアコンがついていたのに、チェコに入ってから消えてしまった。カーテンはないし、隣はギュウギュウだし、最悪。しばらくして、フィンランドの先輩から電話。彼は、以前、プラハに住んでいたので気になるらしい。プラハの人は、隣で電話していても気にしないというので、しばらくお話をする。午後4時近くに、プラハに到着。
プラハ・ホレショビツからイ・ペ・パブロバへ。ここでも72時間チケットを購入。キヨスクのおばさん、高額紙幣出してごめんね?きちんとお釣り、もらえました。宿は、部屋の中がめちゃくちゃ暑い。ネットは無料で使えるが、日本語は読めない。荷物を置いて、シャワーを浴びて、コンサートチケットを求めて市内へ。
観光客目当てのチケット売りが、観光地をうろついている。話を聞くと、全席が同じ値段であるとか、現地の感覚からすると高額だったりして、怪しい。買うのはやめる。あとから理解したが、ルドルフィヌム(チェコ・フィルの本拠地)や市民会館(プラハ交響楽団の本拠地)にある、小さなホールでやる、金儲けのためのコンサートチケットを売りさばいているらしい。結局、旧市庁舎にあるインフォメーションで、明日に市民会館のスメタナホールで行われるコンサートのチケットを手に入れる。現在行われている、「プラハの春」の一つらしい。あさっての予定は、明日決めようと思う。ところで、このチケット売り場のお姉さんが、すごい整った顔立ちをした人だった。最後にニコッと笑顔を見せられたときには、惚れそうになりましたよ。
プラハの街は、とても雰囲気がある。建物が時代がかっている。博物館近くの小さな店でご飯を食べる。
これ、何の肉だと思いますか?正解は、ウサギです。付け合せの丸いの、なんかモチモチしています。ジャガイモでつくったモチ? プラハのチケットコントロールは、若い人の集団を狙い撃ちしている気がする。現地、観光客を問わず。
音楽におぼれる、プラハ
- ヨーロッパ旅行 第三十九日(2005年5月29日日曜日)
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昨日、ベルリン行きのチケットを購入するのを忘れていたので、プラハ本駅で購入。チェコに入って初めて4桁の金額を支払う。メトロのチケットを持っているにもかかわらず、ブラブラ歩きながら、昨日行ったインフォメーションを目指す。
本当に、プラハには雰囲気のある建物が多い。使われている石が黒いせいかも知れないが…。
火薬塔と市民会館を経由して、旧市庁舎へ。
この旧市庁舎には、天文時計があり、毎正時には観光客が集まります。
死神が打ち鳴らす鐘の下、十二使徒が窓から顔をのぞかせるというカラクリ。カラクリ自体には、それほど凝っていないと思うのだが、綺麗だし、ホロスコープ?がついている。それもそのはず、これを設計したのは数学者であるとのこと。これには後日談があって、あまりのできのよさに、他国にもこれを作られることを恐れた王様が、その数学者の目をくりぬいてしまったらしい…。史実かどうかは定かではないが。
なぜか、インフォメーション前には愛知万博の展示もありました。インフォメーションで、あさってのチケットを購入。ルドルフィヌムのドヴォジャーク(日本で言うドヴォルザーク)ホールの歌のコンサート。これも「プラハの春」の一節。 やはり、プラハといえばプラハ城に行かないわけにはいくまい。でも、そろそろ昼ごはんを食べることも考えなければならないので、プラプラと歩く。聖キリルと聖メトディウス教会は、モスクのような雰囲気もあり、真剣に祈っている様子が感じられたので、写真を撮ることができなかった。 ウ・フレクーというレストランでご飯。創業1499年の老舗。修道院だった当時から変わらぬ製法の黒ビールが有名。
クイクイいけます。結局3杯も飲んでしまった。少しフラフラ。隣のヨーロッパ人のお勧めで、グヤーシュを注文。牛肉の煮込み。ライ麦パンが気に入りました。小麦団子のような味の付け合せもなかなか。 チェコ国民劇場を通過して、カレル橋へ。
ここは、チェコ人の、ドイツからの脱却の象徴らしい。
百塔の街プラハの異名にふさわしく、そこかしこに歴史的風格を感じさせる塔がある。
ヴルタヴァにかかるカレル橋の向こうには、プラハ城がかすかに見える。 カレル橋は、観光客の溜まり場。
必然的に、商売をする人も集まる。
橋の上は、芸術家の群れでいっぱいだ。露店でもクレジットカードを使えるのは、観光客対策なのか。 橋の上には、数々の聖人の像がある。
これは、フランシスコ・ザビエルの像。彼を支える人の中には、ちょんまげの人もいます。
ヤン・ネポムツキー像。なでると良いことがあるのか、なでまくっている観光客がいっぱい。
カレル橋からチェコ軍団橋を望む。ヴルタヴァの美しさは、ドナウに勝るとも劣らない。 途中、聖ミクラーシュ教会による。
伊達に金を取るわけではなく、それに見合うだけの美しさを誇る。
金を払って入って良かった。 階段をひいこらと登って、プラハ城に到着。
あまりにも観光客がたくさんなので、教会の中に入るのは断念。
丘の上からのプラハの景色は最高です。
登った甲斐があった。でも、帰り道いっぱいに露店が出ているのは何故かな?暑くないのかな?熱中症に気をつけて、と人を心配する以前に、あまりの暑さに自分が参りそう。 シナコーグに入ろうかとも思ったが、入場料金が、チェコの物価に比してあまりにも高すぎるのでやめる。 スーパーでビールとハムなどを購入する。宿で食べようと思うが、食べるところがない。仕方なく、ロビー付近で食べていたら、誰とも知らぬ人に、部屋で食べれば?と注意される。よくよく決まりを見たら、部屋で飲食してはいけないという条項がない。何だ、部屋で食べてよかったのか。 市民会館にコンサートを聴きに行く。
早くつきすぎて、中に入れなかった。外でうろちょろしていたら、またチケット売りに声をかけられる。性懲りもなく、ぼったくりチケットを売っている。
スメタナホールはとても美しい。僕の席は、後ろから3番目くらいの席。ちょうど天井の段差があるところで、音響が悪くなるから安いのだろう。演目は、小品とギター協奏曲、ブラームスの4番。プラハ交響楽団の演奏。それにもかかわらず、座席がかなり空いている。プラハの春のチケットはチェコ人には少し高いから、観客は観光客がメイン。日本人の団体が開演間際に滑り込んでくる。マナー悪し。まあ僕も、席が空いているから勝手にアップグレードしてしまったので、批判する資格はありませんけどね。 指揮者が若い。髪をかきあげるクセが気になる。それで出だしのタイミングが狂っている気もするんだよなぁ。それでも、つかみはOK。2曲目のギター交響曲は、現代曲っぽく、僕にはイマイチ難しかったが、演奏としてのレベルが高いことは分かる。ただ、聴衆のレベルがあまり高くない。平気でせきをしたりする。 休憩を挟んでのブラームスの4番はすばらしかった。聴衆のセキ攻撃にも負けることなく、広範になるに従って集中力を高めていった。楽章間に拍手をされたりして、ペースを乱されていたのにね。しかし、破局は突然訪れた。第3楽章の出だし、管楽器が最高の入りを見せたところで、妙な音が演奏に加わった。ピリリ、ピリリ。携帯電話が鳴り出したのだ。すぐに泊まったが、その瞬間、一気に緊張が解けたのを感じた。それでもがんばって、立て直したのは見事。あなた達の演奏は悪くなかったと思いますよ。 帰りに少し歩く。夜景が綺麗。
これは、国立博物館。こうやって、ライトアップしていることが、自分の姿に自信を持っている証拠。
夜景も美しい、プラハ
- ヨーロッパ旅行 第四十日(2005年5月30日月曜日)
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出かける前に、宿でベルリンのコンサート情報をチェックする。残念ながら、明日はほとんど何もないようである。昨日ならば色々あったのに。もしも、当初立てた予定通りに事が運んでいたら、ウィーンでもベルリンでも良い催しが見れたかもしれない。
昨日は結局中に入れなかったので、もう一度プラハ城に行くことにする。やはりプラハに来ておいて、あれを見ないわけには行くまい。足下見やがって…。
プラハ城は、教会や王宮の集合体。遠くからでも見えるのは、ひときわ大きな聖ヴィート大聖堂。
入口だけならお金は取られませんが、奥に入るにはチケットが必要です。本当は、写真を撮るのも課金されるのですが…。
人がいっぱいで、儲かってるから良いでしょ?というのは自分勝手な見解。
横から見ると、こんな感じ。 塔に登ったり、旧王宮を見たり、金を回収するのに奔走する。
それでもやはり一番美しいのはプラハの街だなぁ。 お昼ごはんを取る。ウ・ルドルフィナというお店。
お勧めのスープ。
豚のソテー。どちらもクリーミーな味付けで、とても美味しかったです。難点は、クレジットカードが使えないこと。仕方ないので、現金を引き出しました。 川向こうの、今まで行っていない丘の上にでも行こうと思い歩き出すが、どうも雲行きが怪しい。途中、アイスやホットドックを買ったりして、ジリジリと進む。そして破局は突然訪れた。
急に強い風が吹き出し、チリを一面に舞い上げる。あたりが茶色になる。ちょうど、国民劇場近くの屋根があるところにいたので、そこに逃げ込むが、風は吹き込んでくる。しばらくすると、すごい音とともに、あたりが真っ白になった。直径1センチほどのヒョウが降ってきたのだ。うひょー。 通行人は、いっせいに屋根のあるところに駆け込む。そのままじっとしていれば良いのに、前のトラムに向かう人達がいるのは理解できない。みんなぐしょぬれ。屋根の下にいても吹き込んで来る。こんなすごいヒョウは見たことがない…。 しばらくしたらやんできたので、宿に帰ることにする。今日も傘を持ってきていないのは、アホとしか言いようがない。
宿の近くのランドリーは、お店の人に任せることができたので、余った時間を近くの教会で潰す。中に入ったら、ミサが始まるところのようだった。しばらくはいたが、いたたまれなくなって、外に出る。目の前の公園では、おばあさんと男の子が、歩く練習をしていた。 宿で、スーパーで買ったご飯を食べ、コンサートに出かける。今日は、マーラーなどの歌のコンサート。
開始までの時間を、ワインを飲んで過ごす。お金を使い切らないと。ホールの中に入ると、料金が安い理由が分かった。ちょうど目の前に柱がある。
ちょうど僕の列は人が少なかったので、再び勝手にアップグレード。でも、立ち見から座る人よりは少しまし? 歌はとてもすばらしかった。ピアノの伴奏の人も面白かった。初めはピアノが少し強すぎた気がするが、段々バランスが取れてきた。最後はスタンディングオベーションも出た。アンコールが3回もかかる。そこまでしなくても良いのに。終了時間がかなり遅くなった。僕の隣あたりに、音楽生のような女の人がいて、終了と同時に楽屋の方へ向かっていった。彼女達はさすがに正装している。観光客のラフな格好とのギャップが面白い。 夜のプラハ城。
ブレているけれど、結構綺麗でしょ?