エストニア旅行記

【2005年】


初めての白夜、タリン

ヨーロッパ旅行 第四十三日(2005年6月2日木曜日)
 なかなか寝付けなかったので少し眠いが、今日はラエコヤ広場で待ち合わせをしているので遅れるわけにはいかない。食堂が空くまで待ってから、朝食をとる。初めはチーズ削りの使い方が良く分からなかったが、試行錯誤の末に理解。穀物の変な粉末を入れて飲む飲み物も飲んでみました。

 ラエコヤ広場にはすぐ着いてしまったので、その前に切手を買いに行こうと思う。1カ国1枚の絵葉書を投函することを義務としているので、絶対に必要なこと。地図を頼りに、トームベア城近くの観光郵便局を目指す。タリンは、旧市街が城壁で囲まれていて、その外をトラムのレールが囲む構造になっている。古い街のためか、道の構造も複雑で、高台などの高低差もあり、道を間違えやすいかも。新市街のほうにまで抜けてしまった。戻って道の選択をし直し。細い道を丘のほうへ上がっていく。とても正しい道だとは思えない。でも、門を通り抜けたら、教会の前に着きました。

ロシア正教会

ロシア正教会。ここの十字架は、なぜあんな形なんだろう。ここの前にある郵便局で切手とはがきを買い、広場へ戻る。しかし、レジの中、ほとんどお金入っていなかったなぁ。このあたりには、日本人観光客もたくさんいる。スケッチをしているのは何でだろう?

旧市庁舎

 旧市庁舎の前で座っていたら、物売りのおばあさんに声をかけられた。ワニ口クリップで作られた蝶のアクセサリー。クリップが胴体で、それに羽がついて、飾りとしてビーズがついている。何となく発想が気に入ったので、買ってしまいました。ところで、カフェの間にあるステージ、何に使うのかな?

 しばらくすると、待ち人登場。バルト海の向こう側から渡ってきた、まーら○おん氏(仮名)です。彼は、僕が大学院生のときに、研究員として大学に在籍していました。根っからのバックパッカーであり、その気質もあってか、海外PD(ドクターを取った人の意。ここでは、彼らがつく一時的なジョブを指す)につき、チェコやフィンランドを渡り歩いている。フィンランドの英雄、ムー○ンに出てくるスナ○キン見たいな人です。合流して、僕の姿を見たとたん、「すっかりバックパッカーだなぁ」とおっしゃいました。いえいえ、そんなことはありませんよ?僕なんか、軟弱なもんです。

トームベア城

 トームベア城へ向け出発。

タリンの街

展望台から、タリンの街を見下ろします。

タリンの街

タリンの街も、中央ヨーロッパとは違う、中世的な美しさがあります。晴れ渡る空と、緑と、石造りの建物のコントラストがとても美しい。そして、色調が明るい。
 少し戻って教会の中へ。ここにも日本人がいっぱい。注意書き無視で行動するのはどうかと…。

教会

まー氏は絵葉書を物色していました。

展望台からの景色

もう一つの展望台からの景色。

 ラエコヤ広場に戻り、旧市庁舎の中を見学。

旧市庁舎

ハンザ同盟時代の資料館みたいになっています。しかし、狭いし、しょぼいかも。外に出て、隣にある塔へ登る。石段の段差が大きく、通路は狭い。頂上の部屋も狭く、ここも大したことはないと思う。

旧市庁舎からの景色

…早計でした。やはり、高いところからの眺めは良い。

 お腹がすいたので、ご飯を食べに行く。旧市街は少し料金が高い。

当時の衣装

オルデ・ハンザというレストラン。当時の衣装を身にまとった女の人達が商売をしています。結局、ホテルのレストランで食事。中の席に座ったら、中庭にも席があるからと、強制移動させられる。しかし、他のお客さんはいないし、ウェイターさんもいない。どうやって注文すればよいのだ?高校生くらいの集団が、持込みで騒いでいる。本当にここはお店なの?まー氏が中に入っていって、確認を取ってくる。もうすぐ行くといわれたらしい。でも、言わなきゃ忘れていたでしょ?あんたらが移動させたのに。ここで僕は、間違って女子トイレに入ってしまったのかもしれません…。照明が暗いから、良く分からなかったんだよ!

くつろぐ人々


 風が冷たい。半袖で来たのは失敗だった。まー氏のチェックインと、僕の長袖を取りに行くのをかねて、宿へ行く。

ヴィル門

ヴィル門を通過して宿へ。このあたりには、編み物を売っている露店が多い。まー氏は、僕の泊まっている宿と同系列の違う宿。こちら側の宿がいっぱいで取れなかったらしい。トイレによってから再出発。トイレに入っていたら、長袖をとるのを忘れてしまい、もう一度取りに戻る。何のためにきたのやら…。

 中心部のあたりをフラフラして、おみやげ物屋さんを冷やかしていたら、遊園地の子供蒸気機関車のような観光車に遭遇。二人して乗り込むことになりました。しゅっぱつしんこー!

観光車

走るよ、走るよ、石だたみー。ガタガタ揺れるよ、人も飛ぶー。行き交う人々の、微妙な半笑いが少し恥ずかしい。20分くらいの楽しい観光でした。
 そのあたりをフラフラしたり、コーヒーを飲んだり。まー氏がエストニア語で注文します。「カクシ、カフ。」店員の、オレンジお姉さんは、英語で確認してきました。”Two Coffee?”隣に座ったおじさんたちの行動がすごく怪しい。一人の男の人が、後から来たひげのおじさんの身元をパスポートで確認しています。しばらくすると、二人の若い女の人達が現れました。なんか、英語で話をしています。一体、何の相談をしているの?やばい取引ですか?でも、そんな相談は英語でしないでね?

 ビールを買いに、スーパーを探しに行きます。どうも、港のほうにあるらしい。

壁際

壁際を通り、城壁の外に出る。

城壁の外

ビールを買ってくるまでのしばしの間、美しい風景をご堪能ください。

教会

教会。

公園

公園。

広場

広場。

城塞

城塞。

 ビールも買ったので、ご飯を食べて帰ることにする。エストニアの伝統料理が食べられるという触れ込みのお店に行く。

スープ

スープ。

ザワークラウトと豚の煮込み

ザワークラウトと豚の煮込み。スープにはロシアの影響が見られるが、メイン料理はむしろ肉じゃがのようだった。

 僕の宿のキッチンでまー氏と酒宴を催す。ビールは一度帰って冷やしてあるので万全。そのときに、宿の近くにもスーパーがあったことに気づいた。明日はここで買おう。
 しばらく飲んでから解散。明日は午前10時集合。

部屋

ちなみにこれが僕の部屋。次の写真、何時のだと思いますか?

白夜

正解は、午後11時過ぎ。こんなんじゃ、暗くしないと眠れませんよね。

二人旅、タリン

ヨーロッパ旅行 第四十四日(2005年6月3日金曜日)
 今日の朝食は、先客がたくさんいたので一緒にとる。狭いキッチンがいっぱいになってしまった。フィンランドから来たおじさんに、今日の午後2時から、メインスクエアでイベントがあることを教わる。今日は、オールドシティの特別な日らしい。あとで行ってみることにしよう。早々、日本から休暇で来ていた日本人とも会いました。バルト三国を回るらしいです。
 宿の人に交渉して、ヘルシンキに行くまでの間、荷物を預かってもらうことにする。廊下に置いておくので良いならいいよ、との事。ありがとう!まー氏が来るまでもう少し時間があるので、昨日飲んだビール瓶を持ってスーパーへ。デポジットでお金が返ってくるかもしれないというので。お店の人に聞いたけれど、エストニア語で何か言われて、結局引き取ってもらえなかった。残念。

 本日は、少し遠くまで行くことにする。トラム3の終点にある美術館まで。キヨスクでチケットを買って出発。チケットをパンチする機械の使い方が良く分からなかった。乗り合わせたおばさんに押してもらう。ありがとう。

トラム

まだ早いせいか、それほど人もいない。

公園

公園をのんびりと歩きながら、美術館へと向かいます。

美術館

建物の裏に回ると庭があります。

庭

こじんまりとしているけれど、よく整備されています。さすがは、世界に点在する、まー氏所有の邸宅の一つだ!

 そして、海の方にはなにやらモニュメントがある。

モニュメント

何だろう?美術品はそっちのけで、まずはそちらの確認から。

天使像

海の方に向かって祝福をする天使像?ロシア正教のもののようです。誰を照らしているのかな?

バルト海

バルトの海は、オレのうみー。

 本題に戻り、一応美術館も見学しておきました。

美術館

それほど大きくもないところですけれど、まあまあでした。ブリューゲルの子供の絵があるはずなんだけど、どこに展示されていたのだろう?

 市内に戻ってお昼ごはん。地下倉のようなレストランでお食事をしました。

サワークリーム入りのスープ

サワークリーム入りのスープ。

ジャガイモと豚肉と酢キャベツ

ジャガイモと豚肉と酢キャベツ。保存食利用が主?注文を終えたあたりに、日本人ツアーが登場。おばさんたちがしゃべりまくっている中で、添乗員は自分の席につくこともできない。なんか、見ていて哀れになってきた。いい加減、座らせてあげてくださいよ!

 ラエコヤ広場に行ってみると、確かに何か催し物の準備がされている。

ラエコヤ広場

まだ始まるまでには時間があるので、他のところを見てこよう、ということになる。今日が街の日だから、特別に開放されているところもあるらしいのだ。

ギルドの建物

ここは、昔のギルドの建物らしいのだけれど、残念ながら空いているようには見えなかった。そこで、タリンにある、様々な通りを散策することにする。幽霊が出るという通りなど、色々ある。

幽霊が出るという通り

…そんな通りは怖いから、写真には撮っていませんよ!

三人姉妹

三人姉妹、と呼ばれる建物群。同じような建物が仲良く並んでいるので、そう呼ばれるらしい。

 通りを散策していたら、観光客が写真を撮っている建物を発見。近づいてみる。

石になっちゃった人

…なんか、教会の十字架を取り付けているときにおっこって、石になっちゃった人らしいですよ?すげぇ、リアル。
 のどかな風景をお楽しみください。

小学生のお散歩

小学生のお散歩?

塔

まー氏は、ここでいかに美しい写真を撮るかに努力していました。

 広場に戻ると、大勢の人が集まっていて、ステージ上には高校の吹奏楽部のような人達が陣取っている。ああ、このためにステージは用意されていたのか。

お祭り

町はお祭りムードで、辻辻で、昔の衣装を着た人に遭遇しました。子供たちは、マラソンの沿道で振る様な旗を配っています。…受け取るの、断れるはずなんてないですよ。
 マックによってトイレを借りて、アイスクリームを食べてから、港のほうへ向かう。港のほうには、いくつかお土産物屋さんがある。まー氏は、フィンランドでは高いので、こちらで日用品を購入していきたいらしい。実際、フィンランド人も良く買出しに来るとか。何せ、タリン〜ヘルシンキは、高速艇ならわずか1時間半なのだ。
 このお店で済めば、フェリー乗り場に行くのが楽だったのだが、そうは問屋が卸さない。編み物などの、お土産品限定だった。仕方なく、昨日行ったスーパーまで出かける。途中、まー氏が酔っ払いの若者に因縁をつけられていた。まー氏はスポンジやらフライパンやら、僕はビールを購入。それらを持ってフェリー乗り場に向かっていたら、ベンチに座っていた先ほどの若者に声をかけられる。「スオミ?」スオミというのは、フィンランド語でフィンランドを指す、とは、まー氏の弁。どうやら我々がビールを持っていたので、買出しに来たフィンランド人だと思われたらしい。本当に多いんだ、買出し…。まー氏がNoといったら、今度は、「ジャパン?」Yesといえば、彼らは喜んで、「Masahiko Harada !」と言い出す。マサヒコ ハラダ?あぁ、スキージャンプの原田雅彦選手ですか!イタリアでは中田選手、エストニアでは原田選手が日本人の代名詞なのですね。お国柄というべきでしょうか。

 フェリー乗り場に行くには二通りの道順があるらしく、どちらが良いか問われる。荷物を持っているので楽な方が良かったのだが、まー氏が階段を登った先に何があるのかを知りたそうだったので、大階段を登ることになった。ようやっと登りきった先には、フェリーが。

フェリー

 チケットを購入するために窓口に並んだら、前の三人組が非常にもめていて、なかなか終わらない。チケットを買うだけで、なぜそんなにもめるの?あとから別の列に並んだ人のほうが、早くチケットが帰る始末。お札をカフェで使いきってから、パスポートコントロールを受けて出発。荷物が多いと追加料金を払わないといけないことになっているようなのだが、実際には荷物の重さを量るところなんてない。問題なく席に着く。
 フェリーはほとんど揺れず、まどろみながら乗っていると、すぐに到着しました、ヘルシンキ。難なくパスポートコントロールを乗り越えて、無事に到着しました。中国人の方は、入国審査に手間取っていましたけれど。日本人であることに感謝する瞬間。



 フィンランドでの宿泊地はまー氏のおうち。ありがたく止めさせていただきます。まー氏の邸宅までの道のりを観光しながら、買い物しながら進む。夕飯は、まー氏の手料理を頂きました。

手料理

さすがであります。ビールを飲みながら、団欒のひと時。
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