フィンランド旅行記

【2005年】


歴史を感じる、スオメンリンナ

ヨーロッパ旅行 第四十五日(2005年6月4日土曜日)
 旅も終盤に差し掛かると、観光しなきゃ、という想いが薄れていく。疲れがたまってきて、じっとしている方が楽だったりするのだ。それまで研究の鬼と化していて、若干運動不足だったまー氏が起き出して来ないのを良いことに、まー氏の本棚の本を読みふける。あぁ、チェックアウトを意識しなくて済む生活って、よいなぁ。

 ここ数日は、ヘルシンキの天気はさほど良くないようだ。どんよりの曇り空。いつ雨が降り出してもおかしくはない。一体誰の普段の行いが悪いのだろうか?しかし、やはりどこにも行かないわけには行かないので、フィンランド湾にある、スオメンリンナと呼ばれる要塞島へと向かうことにする。

公園

教会前の公園を通り抜け、

ヘルシンキ

ストリートを突き進む。海辺の街のせいか、アムステルダムに建物の色が似ている気がする。赤がベースのところが…。

 ヘルシンキ大聖堂。

ヘルシンキ大聖堂

まー氏が言うには、本来ならば、もっと綺麗に見えるそうです。青い空をバックに、白い建物が浮かび上がる。残念でも、自然には勝てません。

ヘルシンキ大聖堂

大聖堂の中は、非常にシンプル。目的外の余分な装飾がない。

 目的地のスオメンリンナを遠望。

スオメンリンナ

港のチケットセンターで、往復チケットを購入する。市内交通一日券でもいけるらしい。英語を完璧に解するチケット売り場のお姉さんに、乾杯。出かける前に、すぐ目の前の市場で遅い朝食、早い昼ごはん?を食べる。

パエリ

屋台で出ていた、パエリヤ。鮭入り。パラリとしていて、美味しくいただけました。ライ麦パンって、やっぱり美味い。しかし、この国にも日本人の観光客は結構いるなぁ。

 50人乗り位の船に乗って、スオメンリンナへ。天気は悪くても、それなりに観光客はいます。乗ってから降りるまで、一度たりともチケットのチェックが行われることはありませんでした。

スオメンリンナ

遠く向こうを眺めれば、そこに見えますヘルシンキ。晴れていたらもっと綺麗だったろうに。船着場近くのキヨスクで切手を購入する。日本語で、ありがと、といわれた。

石畳と赤レンガの建物

石畳と赤レンガの建物を見ながら進みます。

海

これは川と呼ぶべきか、海と呼ぶべきか。良く分からない。

教会

シンプルな教会。

 狭い島のようで意外に広い。こんな風に、銃眼の空いた洞窟があったり、

銃眼の空いた洞窟

海岸線に備え付けられた砲座があったりします。

砲座

さすがは要塞?

海岸線

寒いのに、バーベキューをやっている人たちもいました。

海岸線

毛糸の帽子をかぶる位に寒いんですよ?

 大体、島を一周したので帰ることにする。

学校

海関係の学校みたいなんだけれど、敷地が解放されていて、観光客の通り道と化している。どんな状況でも揺らがない精神を育てるには適しているかもね?

 ヘルシンキ市内のデパートや店を巡って、お土産品探しをする。マリメッコなどの北欧ブランドや、様々な品を見るが、どれもかなり高い。何を買うかは、またあとで決めることにしよう。市場で買出しをしておうちへ。

晩餐

こちらが、まー氏がおつくりになられた晩餐の品々であります。
 ホワイトアスパラの皮むきを手伝いながら、テレビを見る。ヘルシンキのテレビ放送は、フィンランド語だけでなく、英語、フランス語、スウェーデン語で行われます。字幕がつくこともあるけれど、つかないことも。まー氏が言うには、これがフィンランド人が英語を巧みに操る理由ではないか、と。なるほど。チャンネルを適当に変えていたら、ムーミンのアニメが放送されていた。さすがフィンランドと思い、しばらく見る。日本で放送しているのと同じ絵柄だ。まー氏と、日本で放送されていたのは吹き替え版なのかな?、と話をしていたら、スタッフロールにテレビ東京の名前が…。…逆輸入なのか!アリエナイ。

ちょっと遠出、ポルヴォー

ヨーロッパ旅行 第四十六日(2005年6月5日日曜日)
 連日天気が悪い。まー氏は、美しいヘルシンキを見せることができなくて、非常に残念がっている。まぁ、でも、天気が悪くても見たということには変わりがありませんよ。美しい景色は、今度の楽しみに取っておきます。だって、いっぺんに何でも見てしまったら、もう一度来る動機付けがなくなってしまうでしょ?…といって、自分を慰めてみる。

 ヘルシンキ駅の長距離バス乗り場から、ポルヴォーへ向かう。チケット売り場でまー氏が、学割があると聞き出したが、地元の人用らしく国際学生証では割引は無し。通常チケットを購入後、バス停へ。もうすぐ出発時刻なのに、バス停にバスの姿がない。隣のバスは乗客が乗り込み始めているのに…。よくよく見ると、バス停に対してバスの止まる位置が日本の感覚とは逆なため、隣のバス停に止まっていると思っていたバスが、我々の乗るものだったらしい。少し慌てて乗り込む。
 サイズは日本の普通の観光バスと同程度の大きさ・設備なのだが、まー氏は、いたく感動しておられる。以前住んでいたチェコのバスと比較すると、あまりにも良いバスらしい。さすが西側、と上機嫌。ところで、フィンランドは他の西側諸国からオミソ扱いされている部分があるらしく、フィンランド人はコンプレックスを持っているらしい。皆さん、彼らにそんなことを言ってはいけませんよ?怒るらしいですからね。

 森林の中をまっすぐに抜ける道路。まるで北海道のようだ。まあ、こっちの方が規模は大きいと思うけれど…。何もないように見える森の中に点々と家があり、その近くにはバス停がある。しかし、ここじゃ、どこに出かけるにも大変だろうなぁ。特に冬は、閉じ込められてしまうんじゃないかな?1時間ほどの走行で、ポルヴォーに到着。
 日曜日なので、お店がほとんど開いていない。バス停のある、観光案内所もお休みなので、トイレも使えない。仕方ないので、そのまま観光へ。

船

川の回りに木々が生い茂っていて、川面には船も多く浮かんでいる。青空がバックならば、さぞ美しかろう。無いものねだりをしても仕方ないが。川の周りにはアイスクリーム屋のスタンドが建ち並んでいる。…お休みだけどね。まぁ、開いていたとしても、それほど買う人はいないんじゃないでしょうか。こう寒くちゃ。看板を見ているだけで寒くなる、とは、まー氏の弁。

 しばらく川べりを散歩してから、市内のほうへ。

ポルヴォー

この寂れた街の雰囲気は、小樽のようだ。

ポルヴォー

念のため言っておきますけど、寂れた、というのは、僕の中では味わいがあるという褒め言葉ですからね。しかし、あまり人がいないなあ。

 再びブラブラと川のほうへ。

川

綺麗に写真が取れていると良いですねぇ。

川

いやぁ、実際、味わい深いじゃないですか。

川

本当に、これで晴れていたら最高だったろうなぁ。

川

見た目少し、湿地帯っぽくもありますよね。

川

街の方を見渡せば、一枚の絵葉書のような風景が見られます。水辺に浮かぶ、古きよき街、という感じですか。

 特に見学する場所というのは無いのですが、街自体が観光名所。

石畳の坂道

石畳の坂道だったり、

線路

廃線になった?線路だったり。何故かこの線路の通りでは、スケッチや釣りをしている人がたくさんいました。ふと、タイだったか、線路上のマーケットの話を思い出してしまう。もし電車が来たら、蜘蛛の子を散らすようにいなくなるんですかね?

赤レンガ倉庫

橋の上から撮った一枚。横浜赤レンガ倉庫?行った事無いですけどね…。

 お食事タイム。なかなか開いているお店が無く、値段が高かったりして決まらない。結局、中華料理屋さんに突入。中国お姉さんって、すごいですよ。英語、フィンランド語、中国語がしゃべれるんですから。どうも、お客さんが入ってくるときの挨拶で、何語で話すか決めるらしい。黙って入っていった我々が、何人かを判別するのは難しかっただろうなぁ。セットメニューを注文。ご飯は、まるでパンのように、一つのどんぶりに山盛りで、箸を突き刺した状態で出てきた。日本だったら有り得ないけど、ここはヨーロッパだからなぁ。

 日ごろの行いがよかったのか、少し晴れてきた。

晴れてきた

晴れると何故か、心が弾んでくる。

白い建物

白い建物は、青空の下でこそ映えるものですよ。

赤レンガ倉庫

さっきの場所だって、より一層美しい。

タンポポ

…でも、このあたりって、何故か日本人ぽい人達がたくさんスケッチをしていたんですよね。

 今日はポルヴォーのお祭りの日らしい。タリンに引き続いて、良い日を引いたなぁ。

ポルヴォーのお祭り

砲術仕官に扮した人達が、大砲を撃ちます。どーん!僕はさっさと退避したけれど、勇気あるまー氏は、発射の瞬間を動画で捉えていました。耳、痛くありませんでした?

フォークダンス

街中の広場では、フォークダンスや合気道の演舞などが行われています。

フォークダンス

さほどやる気は感じないんですけどね…。一時間ほどで祭りが引けたあと、何故か、ドナルドと鼓笛隊が街中を練り歩く。それに続いて人がぞろぞろ。まるで、ブレーメンの笛吹き男のような現象だ。このあと彼らは、川の中?

 ヘルシンキへ戻る。意外に途中下車する人が多い。普通に生活しているんだなぁ。

スパゲティ・カルボナーラ

本日の晩餐は、スパゲティ・カルボナーラです。秀逸です。

観光地めぐり、ヘルシンキ

ヨーロッパ旅行 第四十七日(2005年6月6日月曜日)
 いよいよ、観光ができる最終日。明日の朝にはヘルシンキを発たねばなりません。残り少ない時間を有効に使うとしましょう。のんびりとね。

 市内交通一日券を購入する。初めて地下鉄に乗って場内市場に行ったあと、トラムに乗ってアラビア工場まで。ここは、かなり有名な磁器の工場らしいです。まー氏のあとについてきただけだから、自分ひとりでもう一度ここまで来られるかは、疑問だな。

アラビア工場

早速中へ入ってみる。ガラス張りの建物の通路を渡っていくと、そこには直販所が。かなりの売り場面積である。ここには博物館もあるらしいのだが、残念なことにまだ開いていない。ここで時間を浪費するわけにもいかないので、販売所をのぞいて帰ることにする。
 アラビアというのは別にブランド名ではないらしく、”italia”などのいくつかのブランドの総称らしい。あくまで売り場を見て推測する範囲では、だが…。陶器だけではなく、ガラス器や金属器も多くある。まー氏は、ラーメンを食べるどんぶりを非常に欲しがっていた。手ごろなサイズのものが売っていないらしい。
 今度、従妹が結婚するので、そのお祝い用に何かを買っていこうと、物色を開始。お祝い品は、使わないものだと邪魔になるだけだし、あまりに陳腐なものでは悲しい。それに、新婚さんって、食器は自分達の好みで統一して買いそろえたりするしなぁ。選択は難航。結局、温冷両用のグラスで手を打つ。シンプルなデザインだけれど、なかなか良い気がする。
 まー氏は、ムー○ンマグカップをいたくお気に入りのご様子でした。僕がグラスを購入する段になって、大きな勘違いをしていたことに気づく。値段分の紙幣を出したはずなのに、店員の様子がおかしい。よくよくレジを見ると、想定していた金額の倍の値段が…。セットの値段だと思っていたが、個別の値段表示だったのか!まぁ、ここまで来て買うのもやめられず、そのまま購入する。この金額なら、まー氏の商品と一緒に買えば、Tax Freeの手続きが取れたかもしれないな。ここには、日本人夫妻の姿もあった。

 工場から、まー氏の勤務しておられる大学までとほとほ。歩きます。まあるいガスタンクみたいなものが乗っているビルが、その建物。

ヘルシンキ大学

研究室の中を見学させてもらう。大学に入るのも久しぶりだなぁ。やはり慣れた空気が一番だ。
 お昼ごはんの時間になったので、ご飯を食べようと思う。まー氏はひどく学食を推薦する。一度くらいは味わっておくべきものだというのだ。ヨーロッパで学食は食っていないだろう、と。それはそうかもしれませんが、そこまで強く推薦されるものを食べたいとは思いません。控えめに抵抗するも、無理やり連れて行かれる。行列しているからやめよう、という僕の意見も無視。そのまま並びます。  ここの学食はセルフサービスで、並んでいる2品ほどのメインから選択し、その料金を支払うというもの。サラダとパンは無料らしい。僕は、ライスとジャガイモ、豚バラのトマト煮のようなものを選択。実際は、まー氏のマネをしただけですけれども。僕のほうがかなり多く取ったのに料金は同じだったから、多分品数で料金が決まるのだろう。職員である彼のあとに続いて支払ったので、同じ職員料金しか請求されませんでした。
 さて、問題の料理はというと、意外にも美味しい。料金から考えればかなり美味しい。まー氏が言うには、今日は当たりの日だ、と。普段はもっとすさまじいものが出るらしい。美味しいものが食べられたのに、何故か、まー氏は残念そうです。

 トラムで市内まで戻り、ウツペンスキー寺院?へ。

ウツペンスキー寺院

赤い建物に存在感があります。空が曇っていようが、関係ないさ!

ウツペンスキー寺院

少し日本のお寺のようにも見えます。仏像がたくさん並んでいる、という感じ。

ウツペンスキー寺院

…個人的には、単にキラキラしているのはあまり好きじゃないんだけどな。

 有名らしい喫茶店で休憩。

有名らしい喫茶店

ザッハーがあるので思わず注文。まー氏はザッハーはウィーンで食べてこそ美味しいのだ、と主張します。

ザッハー

うーん、そうかも。これはザッハートルテというよりは、チョコレートケーキですよね。チョコケーキとしては美味しいけれども…。

 外に出ると、少し青空が出てきました。同時に元気も出てきます。もう疲れて歩きたくないと思っていたのに。

噴水

さっきまで死んだようだったヘルシンキ市民も、急に生き生きして見えます。いままで見かけなかった、路上のバイオリン弾きだって出てきました。現金なものです。
 ヘルシンキ大聖堂も、その美しい姿を見せ始めました。

ヘルシンキ大聖堂

心なしか観光客も増えてきたような気がします。僕はもう登る気力はあまりありませんが…。

ロシア皇帝

この像は、ロシア皇帝らしいです。
 この広場の向かい側には、ムー○ンショップというお店があります。日本語が使えるお店。店員さんも、お客さんも、みんな日本人です。まー氏と一緒に、少し覗いてみることにしました。…300円のお返しになりますー。店内にごった返す人々から飛び交うのは、日本語だけ。まるで日本です。異常です。ヘルシンキとは思えません。海外で日本語が使えるなんて思っていないので、少し気持ち悪くなってきました。速攻で撤退。

 先ほどの寺院だって、青空の下で見れば格別。

ウツペンスキー寺院

市場も、美しい。

市場

食べ物だって、美味しそうに見える気がしますよ。まー氏は、小さいジャガイモやらホワイトアスパラやらを購入。

 疲れたので、まー氏宅に帰還することにする。帰り道にスーパーでお魚を買って帰る。僕はビールを大量に購入。

傑作料理

まー氏の傑作料理に舌鼓を打ちながらビールを飲んで、夜はふけていきました。




別れの朝、ヘルシンキ

ヨーロッパ旅行 第四十八日(2005年6月7日火曜日)
 午前6時半起床。午前9時25分発の便なので、1時間半前くらいにはついておきたい。ヘルシンキのヴァンター空港までは、バスで40分くらい。まー氏が送ってくれるというので、僕は全く事前の調査をしていない。お任せです。楽だけど、もしも、はぐれたら一発で終わりだな…。着替えをしたら、即、出発。
 昨日一日券を買ってあるので、それが使えれば言うことはないのだが…。空港行きのバスは、ヘルシンキ鉄道駅の脇から出ているので、そこまで荷物を転がして向かう。ゴロゴロ。途中、郵便ポストを見かける。昨日絵葉書を投函したのだが、そのポストの回収時間は今日の午後4時半。目の前のポストの回収時間は、今日の午後4時。…いま出す方が、早く回収されるじゃん!

 バスに乗り込む前に、運転手さんから切符を購入。やはり、一日券とは別の区間なので、新たに買わなければならないらしい。割引もなし。残念。まー氏の持っている定期券は、プリペイドカードの役目も果たしているらしく、先ほどチャージしていたお金で支払いができ、少しは割引が利くらしい。でも、僕の切符との料金の差は50セント。割引率が低いとおかんむりです。…わざわざ送ってもらってすみません。
 バスに乗って空港へ。途中までは市内交通と共通なので、通勤通学に使う人々がたくさん乗ってきます。前の方に乗っていた、高校生っぽい集団が降りると、あとは空港に向かう人々のみになりました。空港が近づいてくると、どこで降りるべきかソワソワしてきます。まー氏は入国のときに空港から来ているので知っているはずなのですが、そのときは眠く、さっさと市内に入りたかったから、全く覚えていないといいます。不安だ。
 郊外に来て、空港らしき建物に順次停車していきます。少し奥まったところに入って数人の乗客を降ろしたと思ったら、市内の方向に向かって走り出します。まさか、さっきのところが空港なの?と少しあせったら、また郊外の方向へ。どうも、空港職員のための寄り道だったようです。



 無事に空港に到着。国内線と国際線の建物が分かれているらしく、僕らは当然国際線の方へ。アエロフロートで帰るのですが、ヘルシンキには直接乗り入れてはいません。共同運行のフィンエアーがモスクワまで飛んでいるのです。チェックインは共同で行われているので、列に並びます。
 ここで不思議な現象が。手前のデスクは空いているのに、奥のデスクは長蛇の列。なぜだろう。僕は手前に並びます。その間、まー氏は少し席をはずします。段々列が進んで、デスク上の案内板を良く見ると、キヨスクでセルフチェックインをした人用のデスク、と書かれています。がーん。ダメじゃん。仕方ないので、長蛇の列に並びなおし。並んでジリジリと進んでいると、向こうの方で、戻って来たまー氏が僕を探しています。慌てて手を振るが、向こうは気づきません。でも、再び並びなおす気もないので、向こうが気づくのを待つことにします。何せ、経験豊富だから、そのうち気づくはずだ、と信じて。
 ようやく順番が回ってきました。デスクは10個くらいあって、行列はそれらに共通です。行列の先頭では、グランドアテンダントのお姉さんが案内をしています。…でも、フィン語と英語で続けて挨拶されると、日本での、「いらっしゃいませこんにちは」、を思い出すなぁ。
 ともかくデスクに向かって、チェックイン。僕の荷物はいくつかをまとめて紐で縛ってあったのですが、ばらすようにと言われます。EasyJetでは、そんなこといわれなかったのに…。言われたとおりにばらします。キャリーバックはそのままタグがつけられたけれど、シュラフは水色のゴミ袋に入れられ、住所シールを貼らされました。規格外の荷物。なんか、ショックだなぁ。チェックインのまごついた様子を、近くで見ていたまー氏に笑われてしまいました。最後まで、英語にはたたられるなぁ。
 空港の喫茶店で軽い朝食をとる。まー氏がおごってくれました。しばらくお話をしたあと、セキュリティーゾーンの中へ移動。まー氏、滞在中はお世話になりました。また、まー氏がフィンランドにいるうちに、お邪魔するかもしれませんよ?

 パスポートコントロールで、あと2分で出発するといっているおばさんに道を譲る。いやぁ、チャレンジャーだなぁ。しかしまさか、管理官に日本語でさよなら、と言われるとは思わなかったな。搭乗ゲート前のベンチですわって待っていると、ロシア人ぽいフライトアテンダントが続々とゲートに入っていく。あのぅ、もう搭乗予定時刻を過ぎているんですけど…。マイペースだなあ。
 予定より遅れて出発。帰りの便は、タイミング的に軽食しかサービスされないのが残念。短いフライトの後に、モスクワに到着。当然遅れているが、モスクワでのトランジットの待ち時間を考えれば好都合。12時過ぎに到着して、出発は午後7時半。長いなぁ。当然のごとくセカンドチェックインもできず、まだ乗り継ぎチケットはもらえない。もらえるのは午後5時過ぎらしい。

 ベンチに座っていたり、免税店を冷やかしたりして時間を潰す。あまりにも長い。

モスクワ

さっきから、同じようなTシャツを着た若い子達を見かけるな。どっか行くのかな?

 ようやく5時を過ぎたので、トランジットカウンターへ。すさまじい行列ができている。どうも、インド行きの便がキャンセルになったらしく、代替便のチケットを求める人々が列を成しているようだ。道理で2階で寝ているインド人が多いと思った。代替便は午後11時過ぎとの事。ご苦労様です。インド人がミンバイ、ミンバイとうるさい。向こうだって手一杯なんだから、そんなにすぐに手配できるわけないでしょうに。
 行列には、日本人添乗員も並んでいる。これは、東京行きの手配のようだ。彼女は何とか自分達のツアーのチケットをゲット。僕はいつになったらもらえるのだろう。午後6時近くになってくる。しばらくして、カウンターの人が、To Tokyo!と言い出す。やった。慌てて返事をして、チケットをもらう。先に待っている人からは、少しブーイング。カウンターの人が、出発時間が近いから、と説明をする。まあ、チケットが手に入れば何でも良いや。



 搭乗ゲートが途中で変更になるトラブルがある。この程度は許容範囲。新しいゲートには、続々と日本人が集まってくる。ツアーが3つくらいと、バックパッカーやビジネスマン。飛行機一機、日本人で埋まる感じだな。最近、こんな日本人の集団を見ていなかったから、少しウザイと思う。おばちゃんはおばちゃんだし、若い団体ははしゃいでいる。少し恥ずかしい。しかし、添乗員て、やはり大変そうだなぁ。ああ、ちょっと変な夫婦がいたなあ。亭主関白なのか、奥さんの言うことにいちいち反発している人。子供みたいですよ?
 少し遅れて搭乗開始。僕の席は窓側の通路側なので、なかなか良い。窓側はおじさん、通路側は女の子とお母さんの親子。日本人団体じゃなくて良かった。中央の座席数は3。行きの飛行機よりは少し小さいかも。僕の斜め向かいには、添乗員が2名。それぞれ別の会社です。アエロフロートは、団体客の中のお仲間ごとに座席をまとめて手配したりはしてくれないようで、彼女達が席の割り振りを勝手に変えているようでした。でも、お客さんが3人並んで座ったりしている中、彼女達の席は隣が空いているし、かなり快適そう。機内サービスが始まったとたん、赤白ワインとビールを頼んでいました。そんなの、あり?




帰国、お久しぶりの日本

ヨーロッパ旅行 第四十九日(2005年6月8日水曜日)
 長い長い旅路が始まる。ビデオ上映会は、設備の故障のため中止させていただきます、とか言っていたけれど、いつも壊れているんじゃないですか?僕の椅子のリクライニングは壊れているのか、倒さなくても体重をかけると勝手に倒れていく。不便だ。隣のおじさんにパンをもらったり、突然何千フィートも急降下したりと、色々な出来事を乗り越えながら、成田へ。そういえば、隣の女の子は、ベッドメーキングに異常なこだわりを見せていたなぁ。

 午前11時。到着ロビーからモノレール?に乗って検疫所の方へ。特に何も言われないからそのまま通過。無愛想な入国管理官に挨拶をして、税関も通過。荷物の入ったゴミ袋を見て、何が入っているのか聞かれたが、中身を見せろとは言われず。こんなに甘いチェックで、色々防げるのかな?肉や野菜を持ってきても生物検疫には引っかからないかもしれないし、課税対象品を持ち込んでも税金をかけることもできない気がする。いや、僕は別に酒を大量に持ち込んだりはしていませんよ?

 残ったユーロを両替して、帰りの電車賃を確保。駅のキヨスクで、雑誌を買う。週間の、少年サンデー、ジャンプ、マガジン。だいぶ進んでしまって、間が分からないなぁ。ジャンプの武装錬金、いつの間に終わったんだ?
 京成電車に乗って、京成船橋駅に着いたら、移動している最中に、寝袋を括りつけていた袋のひもが切れた。日本に来るまでもって、本当に良かった。ありがとう。



 街を歩いていると少し違和感を感じる。看板が日本語で書いてあって、どんなにつまらないものでもすべて理解できる。緊張して歩いている必要もないし、道に迷ったところで不安感はない。でも、逆の立場になってみると、日本に来る外国人はつらいだろう。英語の看板はあまりないし、道を聞いたところで、親身になって教えてくれる人はそれほどいない。ヨーロッパでは、仕事はおざなりでも、プライベートでは冷たい人はそんなにいないから、道を聞けばきちんと教えてくれる。これからは僕も親切にならなくちゃ。
 街をうろついている女子高生にも違和感を感じる。みんな同じ格好に見える。ヨーロッパで制服を着ている人なんて、警官か駅員くらいのものだったからなあ。変な感じ。
 駅でエスカレーターに乗ろうと思ったら、どちら側に立つべきか忘れている自分に気づく。右だっけ、左だっけ?関東と関西では逆なんだよね?ヨーロッパでも国によって違うから、混乱してきちゃった。そのうち思い出すかなあ?

 日本に帰ってきたら、何を初めに食べようか考えていた。でも、何にするかは決まっていない。通り道に美味しそうな食べ物屋さんがあれば入ろうかと思っていたが、そんなものもなかった。結局家まで帰ってきたが、冷蔵庫の中には大したものがない。午後3時。仕方ないので、近くのスーパーまでお買い物。ついでにビールも買ってくることにしました。
 買出しの結果、カツ丼を作ることに決定。ご飯ものとは決めていたけれど、結局これになりました。性格には、カツ親子丼と言うべきか。鶏肉も入っています。何故か、お土産に送っておいたザッハートルテも残っていたので、頂く。
 夜は、トカイ・アスーを開けてみることにしました。

トカイ・アスー

家族で試飲。干しぶどうのような凝縮した甘さが特徴。かといって甘すぎず、スーッと飲めます。こりゃいいや。さすがワインの王様。ちなみにケーキは弟が買ってきてくれたものです。ありがとう。
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