京都

【2004年】


日本 京都
第一回 出発(2004年12月14日火曜日)
 毎年恒例になっている冬の京都。でも今年はいつもと少し違います。何が違うって、その交通手段。今回は高速バスなのです。ブッブー。
 新幹線で東京から京都まで行く場合、所要時間は2時間半強、1万3千円ほどの料金がかかります。では、高速バスの場合はどうか。時間は7時間強とかなりかかりますが、料金は5千円ぽっきり。それ以上は頂きません。どうですか、お客さん!

 高速バスには日中型と夜間型の2種類があります。日中型は午前中に出発して夜に到着、夜間型は夕方に出発して翌朝に到着。夜間型のほうが少し料金が高くなっています。じゃあ、なぜ高い夜間型に乗る人がいるの?といえば、1泊分の宿泊代が浮くからなんですね、これが。僕はもう無理ができなくなってきたので、当然のごとく日中型です。…夜間型は、始発も動いていないような時間に着いたりするから、けっこう困るんだよね。



 東京駅丸の内口、午後12時20分。出発です。7時間以上もバスになんか乗っていられるか!という方もおられるかも知れませんが、多分あなたが想像しているバスとこのバスは構造が違います。市内交通としてバスを利用していない人が思い浮かべるバスといえば、観光バスでしょう。中央に通路があり、両脇に2列ずつの座席。知らない人同士で隣合う席についた場合には、ひじの置き場所に迷うというあれ。確かにあれで7時間はキビシ過ぎますね。
 しかし、このバスは違います。2階建て、トイレつきなどというのは単なるオプション。最も重要なのは、座席配置です。3列シート。各シートの間に通路があるのです。これでもう、隣の方とひじがぶつかるということなどに悩まされることはなくなります。しかも今ならなんと、このシートが往復1万円。お買い得ですよ。
 ただちょっと誤算が。通路があると入っても、進行方向右側の席にある通路の方がメインで、少し幅が広いのです。ボクは左側。1のAという番号にだまされました。今度は1のCにしよう…。

 飛行機でヨーロッパに行くことを思えば、7時間くらい座席に座っていることなんて何でもありません。途中、SAに停まるから、運動だってできるしね。少しびっくりしたのは、バスの中があまりにも静かだということ。ボクは一人だから、うるさかったら危ない人だけど、ツレと来ている人もあまり話しません。やはり、密室だけに、周囲に気を使わなくてはいけないんだね。その辺だけは要注意。
 そんなことを思っているうちに、京都に到着。原稿直しでもしようと思っていたのに、やる暇もなし。…やる気もなし。



 市バスでいつものホテルまで行き、ご飯を食べに外出。わざわざ出かけて祇園でラーメンというのも粋?だよ。「天下一品」でから揚げ定食を食べていたら、ご商売風の方たちが、ラーメンを食べに来る。…この人たちがここの常連なんだね。帰りにお酒を買って帰還。じゃ、おやすみ。

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第二回 天橋立(2004年12月15日水曜日)
 何回か京都に来たけれど、日本海側には行ったことがありません。ちょっと遠いけど、向かってみることにしました。天橋立。
 ホテルからバスに乗って京都駅へ。京都駅でJR西日本のプリペイドカードを見かけたので、なんとなく買ってみる。しかし、じっくりと見てみると福知山線などには使えないらしく、これからの行き先には何の役にもたちません。仕方なく、窓口で払い戻してもらう。珍しくこんなもん買ってみると、こんな失敗だよ…

 ゆらりゆらりと電車に揺られて西鶴見へ。そこで電車を乗り換えて、天橋立に向かいます。JRは西鶴見駅までなので、ここで次の電車の切符を買わなければなりません。切符売り場まで向かうと、自動券売機はなく、手売りのみ。未だにこんなところもあるんだなぁ。
 無事に切符を買って、天橋立までの電車に乗り込んでふと思う。…あれ、ボクまだJRの切符を持ってるんですけど。どこでもチェックされてないじゃん!1,500円近く払ったけど、150円の切符でも乗り換えられるんじゃないの?個人の良心に従って乗り換えましょう。

 3時間ちょっとかかってようやく到着。駅で地図をゲットして、天橋立に向かいます。レンタサイクルが多いのが印象的。サイクリングしやすいところなのかな?と思って向かうと、理解しました。見晴台までが遠いんですよ、1キロちょっと。歩いていくのが大変なんでしょうね。でも当然ボクは歩きました。
 ちょうどこの年は台風の影響で天橋立も重大な被害を受けました。その様子をちょっと見たかったという気持ちもあります。



でも意外と綺麗ですよ?あまり傷跡を感じません。



水もすんでいるし、



砂浜だって綺麗ですよねぇ。

 でもでも、よくよく見れば、やっぱり傷跡はありました。無傷の訳はないのです。



引きちぎられて、伐採された木、樹、樹…。痛ましいものです。
 ただ、疑問だったことが一つ。



こんなになってまで「文化財」を名乗らせなくてもいいんじゃない?いや、それは、国の財産だってことは分かってますけどね。

 竜の股のぞきってやつをやるために、自転車で通っていく人たちをわき目に、一人延々と歩きます。



トボトボ。いい加減ちょっと疲れてきたなぁ。



 うっそうとした松林を抜けると、



なんか港みたいなところに出てきました。といって、ここが終点ではありません。眼前の、山の上の展望台に登りゃにゃいかんのです。
 当然展望台らしく、有料のケーブルカーというのも存在するのですけれど、貧乏なボクがそんなもんに乗れるはずも、乗る気になるはずもありません。



という訳で、山登り開始です。完全な冬。風は結構冷たいのに、汗はどんどん出てきます。



…諦めるな、ゴールは近いぞ!

 そんなこんなでようやっと到着。



やっぱり景色がいいねぇ。下にはケーブルカーの終着駅が見えます。そして、待望の



天橋立の全景です。確かに、向こうの方の出っ張りが頭に見えなくもないな。
 そしてこれが、股のぞき!



確かに、龍が昇っているように見えるような…。もっと晴れてたら綺麗だったろうになぁ。
 何故か、頂上でソフトクリームを食べてしまいました。お店のおじさんに話を聞けば、やはり台風の被害は甚大で、観光客は激減しているとのこと。何とかなんないのかな?

 トボトボ歩いた帰り道。面白いものに遭遇しました。



橋、回転しまっす!



船が通るんですね。

 通り道にお寺発見。



3人寄れば文殊の知恵、の文殊を奉ってあるらしいですよ。お参りすれば、頭良くなるかなぁ?

 補足。



消火栓。

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第三回 貴船神社(2004年12月16日木曜日)
 百万遍から出町柳へ。今日の目的地は貴船神社です。叡山電車に揺られしばし、貴船へ到着。



不安なのはちょっと天気が崩れ気味なこと。傘を持ってこなかったのは失敗だったなぁ。



貴船神社までは徒歩で20分くらい。天気も悪いせいもあってか、ほとんど人がいません。
 わずかに紅葉が残っているけれど、かなり寒い。



本社までの道のりには、小さなお社がいくつかあります。



ここは、コノハナサクヤヒメノミコトを奉ってあるところ。古事記とかではこの人のほうが扱いが良いけれど、ここでは違います。



無残に扱われたイワナガヒメノミコトの方が格上なんですよね。

 パラパラと降る雨の中、何とかそれっぽい神社につきました。



階段を登ると、



何故か猫。それを撮影するボクも疑問。
 着いてから気づいたけれど、ここって、縁結びの神社なんですねぇ。ボクの貴船のイメージは、今昔物語とかの呪いのイメージなんだけど…。男一人じゃいづらいなぁ。
 もう一つ気づいたこと。ここは下宮で、貴船神社にはまだ先があること。ここでとまったら徒然草の仁和寺にある法師みたいになっちゃうから、雨が降っているけど先に進みます。



色々と事情はあるんだろうけど、ただ立っている樹に適当な理屈をつけて観光用に仕立て上げるのはどうなのかなぁ。まぁ、いいけど。
 そうそう、これなんですよ。



ボクのイメージする貴船は!ねぇ。べつに男一人で来たっていいでしょ?大学の卒論取材に来ていた人もいたことだし。
 何じゃこの岩の塊は…



これが貴船の名の由来だったんですねぇ。


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第四回 平等院(2004年12月16日木曜日)
 時間がまだあるので、ちょっと遠出をもう一件。



宇治の平等院まで。しかし、デジカメって、地図も綺麗に撮れるよねぇ。



夢浮橋を渡って…



綺麗に整備された門前へ到着っ。やっぱり海外の観光客を意識しているのかな?



…でも、若干整備しすぎかな?とも思う。
 まあ、何はともあれ、



ぐるーっと回りこんで、



10円玉で有名な鳳凰堂見物です。



日が落ちてきたから、ちょっと寒い。

 帰り道からの風景。



夕暮れの河。



良く分からん、枝のかたまり。なんだろ?
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第五回 どっかの神社(2004年12月17日金曜日)
 京都市内をぶらぶらしようと思う。晴明神社に向かうバスを途中下車して歩いていると、なんか神社を見つけたので入ってみる。
 さして広くもない境内には、妙な広場がある。



蹴鞠をやるところらしい。記述を見ると、スポーツ関係にご利益がある神社らしい。



あと、武道関係にも。スポーツ関係者や、格闘家が試合前に訪れるとかいう逸話があったら面白いだろうなぁ。
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第六回 晴明神社(2004年12月17日金曜日)
 晴明神社というのは非常に目立たないところにあります。



非常にしょぼいです。



敷地はこんなもん。ここにあるのは、お社より大きいかもしれないおみやげ物屋さんと、



井戸と、



橋の欄干の一部くらい。あとは、壁に伝説の絵巻が描いてある事かな。その程度しかありません。よっぽどファンじゃなければわざわざ来るほどのこともないかなぁ。
 帰り道、本来の戻橋を見かけました。



ここから移築されたんですねぇ。
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第七回 京都御所(2004年12月17日金曜日)
 一日乗車券を持っているにもかかわらず、素直にバスに乗るのは嫌だったので、方角だけ目的地に合わせて適当に歩き出す。京都の街は道が分かりやすいから、非常に便利だ。
 歩いているうちに、なにやら開いている門に遭遇したので潜入を試みることに。



中にあるのは、広大な松林と



アホみたいに広い砂利道。



何じゃこりゃ〜!これが京都御所か…
 特に何もないのに、これだけ広いと壮観かも。



道に残っているわだちの跡が異質だね。
 歩きづらい砂利道をじゃしじゃし、と歩いていると少し雰囲気の違う空間に出くわしました。



水辺には東屋があります。



おぉ。なにもんの建物?あそこに夏住んだら涼しいかもなぁ。…蚊が多いかも知れんけど。



 にゃぁ。


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第八回 清水寺(2004年12月17日金曜日)
 帰りのバスがたまたま清水寺方面しかなかったので、ちょっと寄り道してみることにしました。



もう葉っぱは落ちてしまっているけれど、紅葉の時期は綺麗なんだろうなぁ。
 代わりといっては何ですが。



椿。



托鉢のお坊さん。
 ああ、まだ紅葉が取り残されている場所もありましたよ。



ま、今回はこれで手をうっておきますか。


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第九回 三年坂(2004年12月17日金曜日)
 清水寺から下る坂道を途中で曲がり、三年坂経由で丸山公園に行くことにしましょう。坂道の途中には、様々なお土産やさんや、豊臣秀吉の妻ねねの方ゆかりのお寺などもあります。



そぞろ歩くにはなかなか良いところかもしれません。



 前方に変な建物発見!



教会?教会なの?ちょっと不思議な感じ。
 はい、円山公園に到着!


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第十回 京都駅(2004年12月18日土曜日)
 今回の京都行には大きな誤算がありました。ボクの発表日が最終日の11時だったということ。いっそこれが午後だったら諦めもついただろうに…。何がって?いやね、バスの出発時間が12時20分なんですよ。発表が午前なら、ギリで間に合うじゃないですか!
 そんなわけで飛び込みセーフのシナリオを描きつつ、発表終了直後にカバンを持って京都駅を目指しました。バスでかかる時間は事前にチェック済みだから、十分に間に合うはずだったのです。
 しかしまたもや誤算が一つ。というか抜け漏れか。それは今日が土曜日だったということ。日本に週休2日という制度が根付いてから、多くの人は土曜日が休日なのですよ。休日ということは遊びに行く人も多いということ。遊びに行く人が多ければ、マイカーに乗る人も多いわけで…道路が混んでる!

 バスに乗ったはいいものの、バスは遅々として進まず。市内中心部に近づけば近づくほど、その傾向は強まります。バスは一向に進まないのに、進まなくても良い時計の針はマイペースに進んでいきます。…制限時間まであと20分。
 ここで降りて地下鉄に乗り換えるか?でも、乗り換え時間も考えると、ギリギリだろ?このままでも何とかなるんじゃない?そんな思いでバスに乗り続ける決断をしたものの、やはりバスは進まない。四条、五条、七条と来たところで残り5分をきってしまいました。本格的にまずい。
 いっそ降りて走るか?そんな考えも頭に浮かぶが、ボクの冷静な部分が突っ込みを入れます。お前はオリンピック選手か、と。それはオーバーにしても、ボクが走る速さと残りの距離を考えれば、いくら遅いとはいえどもバスの方が早いでしょう。そんなことを考える僕の表面は冷静な顔を取り繕いながらも、心の中はひどい嵐です。間に合わなかったらどうしよう。
 間に合わなかったらどこに電話すればいいのかな?払い戻しは無理かな?どうやって帰ろうか?やっぱり冷静な部分が後処理に頭を悩ませつつも、諦め切れません。まだ何とかなるよ。自分を励ましつつ、時計の針を見つめます。残り1分。バスは最後の交差点に到着しました。信号が憎い!
 30秒、…、5秒、4、3、2、1、0。ビー。時間切れです。



 時間切れから2分後、バスは京都駅へ到着。まだあきらめていないボクは、バス乗り場へとダッシュです。…あ、まだバスがいる!そう思ってバスへと向かいだすと、無常にもバスがゆっくりと動き始めました。まずい!
 駆け出したボクは想像もしない行動に。ロータリーに飛び出すと、バスの前方をふさいでバスを止めました。…当然、運転手さんに怒られました。でも、バスに乗れてよかったぁ。
 車内に入って、他の乗客の皆さんに平謝り。でも、みんな良く事情が分かっていなかったみたい。それもそうか、2階からじゃ外の様子は良く分からんもんね。バスは、多少渋滞に巻き込まれながらも、順調に進んでいきました。帰りは行きよりも早く感じるね。
 はぁ。ようやく東京か。くたびれたぁ。


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