2009年の科学に関するニュース紹介


 2009年の科学に関するマスコミなどによるニュースを紹介し、感じたことや考えたことを記事にして公開しています。

自前の鉄鎧を持つ巻き貝
鉄のうろこを持つ巻き貝「スケーリーフット」、世界初の一般公開 北大などが大群集発見
 硫化鉄でできたうろこを持ち、深海に暮らす奇妙な巻き貝「ウロコフネタマガイ」の大群集を北海道大学、海洋研究開発機構、新江ノ島水族館による共同研究グループが発見し、11月30日、同水族館(神奈川県藤沢市)で世界初となる生きたままの一般展示が始まった。



 ウロコフネタマガイは2001年に発見された。貝殻は最大で4.5センチ程度だが、足の表面が硫化鉄のうろこで覆われており、「スケーリーフット」(うろこのある足)とも呼ばれている。従来はインド洋中央海嶺の深海熱水活動域「かいれいフィールド」にごくわずか生息していると考えられてきた。

 研究グループは11月に「しんかい6500」でかいれいフィールドを調査したところ、水深2420メートルの場所で少なくとも数千匹のスケーリーフットが集まる大群集を発見した。熱水に群がるエビを追い払うと、その下の地面をびっしりと覆うスケーリーフットが見つかったという。

 採取したスケーリーフットの一部の個体を大気圧で飼育することにも成功。捕獲直後から温度や酸素濃度を厳密に管理し、3週間以上の長期飼育に成功。同水族館で世界初となる一般展示を始めた。

 研究グループは、大群集の発見と飼育の成功で、謎の多いスケーリーフットの生態を詳しく調べられる上、硫化鉄のうろこを生成する仕組みを解明できれば産業にも役立つのではと期待している。

北大のニュースリリース(PDF)
 環境に合わせて生物は進化する。深海を調べると、他惑星の生物を推定するのに役立つかもしれないね。
作成:2009/12/01 13:30:00
はやぶさは不死鳥のごとくよみがえる
小惑星探査機「はやぶさ」の帰還運用の再開について
 宇宙航空研究開発機構(以下:JAXA)は、平成21年11月9日にご報告いたしました、小惑星探査機「はやぶさ」のイオンエンジンの異常について、その対応策を検討してきました。その結果、今後の運用に対する見通しが得られましたので、イオンエンジンの状況を注視しつつ帰還運用を再開することとしました。

 JAXAでは、4つのイオンエンジンについて、中和器の起動確認や流量調整等を実施してきました。その確認作業において、スラスタAの中和器とスラスタBのイオン源を組み合せることにより、2台合わせて1台のエンジン相当の推進力を得ることが確認できました。

 引き続き慎重な運用を行う必要はあるものの、この状況を維持できれば、はやぶさの平成22年6月の地球帰還計画を維持できる見通しです。

 今後もはやぶさの地球帰還に向けて、注意深く運用を続けてまいります。運用状況については,適時報告いたします。
 もはや何回目かもよく分からないが、はやぶさはまた死にかけて復活した。どんだけ冗長性のあるシステムなんだ!
 宇宙の出来事は直接目で見ることはできない。データが解析できなければそれを理解することもできない。懐疑派がうがった見方をすると、復活したことにしてごまかしてんじゃないの?という意見も出てくるのかもしれないね。
作成:11/20/2009 09:30:00
国際宇宙ステーションが見た火山噴火
Sarychev Peak Eruption, Kuril Islands
A fortuitous orbit of the International Space Station allowed the astronauts this striking view of Sarychev Volcano (Kuril Islands, northeast of Japan) in an early stage of eruption on June 12, 2009. Sarychev Peak is one of the most active volcanoes in the Kuril Island chain, and it is located on the northwestern end of Matua Island. Prior to June 12, the last explosive eruption occurred in 1989, with eruptions in 1986, 1976, 1954, and 1946 also producing lava flows. Ash from the multi-day eruption has been detected 2,407 kilometers east-southeast and 926 kilometers west-northwest of the volcano, and commercial airline flights are being diverted away from the region to minimize the danger of engine failures from ash intake.



This detailed astronaut photograph is exciting to volcanologists because it captures several phenomena that occur during the earliest stages of an explosive volcanic eruption. The main column is one of a series of plumes that rose above Matua Island on June 12. The plume appears to be a combination of brown ash and white steam. The vigorously rising plume gives the steam a bubble-like appearance.**
In contrast, the smooth white cloud on top may be water condensation that resulted from rapid rising and cooling of the air mass above the ash column. This cloud, which meteorologists call a pileus cloud, is probably a transient feature: the eruption plume is starting to punch through. The structure also indicates that little to no shearing wind was present at the time to disrupt the plume. (Satellite images acquired 2-3 days after the start of activity illustrate the effect of shearing winds on the spread of the ash plumes across the Pacific Ocean.) By contrast, a cloud of denser, gray ash?probably a pyroclastic flow?appears to be hugging the ground, descending from the volcano summit. The rising eruption plume casts a shadow to the northwest of the island (image top). Brown ash at a lower altitude of the atmosphere spreads out above the ground at image lower left. Low-level stratus clouds approach Matua Island from the east, wrapping around the lower slopes of the volcano. Only about 1.5 kilometers of the coastline of Matua Island (image lower center) are visible beneath the clouds and ash. **Editor’s note: Following the publication of this photograph, the atmospheric and volcanic features it captured generated debate among meteorologists, geoscientists, and volcanologists who viewed it. Post-publication, scientists have proposed?and disagreed about?three possible explanations for the hole in the cloud deck above the volcano.
One explanation is that the hole in the clouds has nothing to do with the eruption at all. In places where islands are surrounded by oceans with cool surface temperatures, it is common for a sheet of clouds to form and drift with the low-level winds. When the cloud layer encounters an island, the moist air closer to the surface is forced upward. Because the air above the marine layer is dry, the clouds evaporate, leaving a hole in the cloud deck. These openings, or wakes, in the clouds can extend far downwind of the island, sometimes wrapping into swirling eddies called von Karman vortices.
The other two possibilities that scientists have offered appeared in the original caption. One is that the shockwave from the eruption shoved up the overlying atmosphere and disturbed the cloud deck, either making a hole or widening an existing opening. The final possibility is that as the plume rises, air flows down around the sides like water flowing off the back of a surfacing dolphin. As air sinks, it tends to warm and expand; clouds in the air evaporate.
(抄訳)
サリチェフ火山爆発、千島列島

2009年6月12日、国際宇宙ステーションは、噴火初期におけるサリチェフ火山(千島列島)の様子を撮影することに成功した。サリチェフ火山は、千島列島で最も活動が活発な火山のひとつであり、マツア島の北西端に位置している。溶岩流を伴った最後の噴火は1989年に観測されており、それ以前には、1986年、1976年、1954年、1946年にも観測されている。連日の噴火による灰は、火山の東南東2,407キロメートルおよび西北西926キロメートルにまで到達しており、降灰によるエンジントラブル回避のため、民間機の迂回飛行が実施されている。
(以下、写真に関する火山学的な解釈が続く。)

噴火映像(6MB)
作成:06/30/2009 00:00:00
お疲れ様でした。お休みなさい。
月探査機「かぐや」、役目を終えて月面に落下
 かぐや姫にちなんで名づけられた、月を周回しながら大規模観測を続けた日本初の月探査機「かぐや」が11日午前3時25分、月面に落下した。月の起源や環境を探る情報を集めながら、地球の姿や月面の様子をとらえた映像を落下直前まで送り続けた。また、「月に願いを」と公募した約41万人分のメッセージが刻まれたシートを搭載しており、多くの人たちの思いを月に届け、大役を終えた。

 「かぐや」は07年9月、米アポロ計画以来の本格的な月探査を実現するため、宇宙航空研究開発機構がH2Aロケットで打ち上げた。07年12月から今年1月まで、月面から高度100キロの軌道を周回。X線や赤外線などのセンサーやレーザーなど全14種類の観測機器とハイビジョンカメラで観測した。その後、徐々に高度を下げて、月の磁場を詳しく観測したり、月面すれすれでクレーターの様子を撮影したりした。

 「かぐや」の観測によって世界初の月全体の高精度地形図ができた。月の赤道半径が北極と南極を結ぶ極半径より約2キロ長いこともわかった。月の裏側のクレーターの数から、約30億年前に終わっていたと考えられていた火山活動が約25億年前まで続いていたことを突き止めた。

 また、月の地平へ沈みゆく地球や、地球の後ろから出てくる太陽の光がダイヤモンドの指輪のように見える美しい様子の撮影に成功した。

 これまで「かぐや」がもたらした膨大な観測データは10テラバイトを超えるが、解析が進んでいるのは3割程度。今後、本格的な解析によって、月表面の元素や鉱物分布、地下構造などがわかる可能性がある。月の起源の解明だけでなく、月資源探査や着陸地点の選定など、重要な情報が得られると期待されている。(田中康晴)
 ボクもメッセージを送りましたね。もう2年以上前のことだと思うけれど。月に二足歩行のロボットを送り込む(*)前に、色々やれることはあると思うけれど…明らかに素人の思いつきって感じだよね。生物じゃないんだから、手足を二本ずつに限定しなきゃいけない理由なんてないし…。

(*)宇宙基本計画案にこの様なアイデアが盛り込まれている。提案したのは毛利衛氏らしい。
作成:06/13/2009 00:00:00
晴れ時々おたま
白山でもオタマジャクシ降る? 中島に続き、深まる謎
 6日朝、白山市徳丸町の駐車場や乗用車の上にオタマジャクシ約30匹が落ちているのを、同町の石川県職員木島浩さん(49)が見つけた。いずれも死骸(しがい)で、つぶれた形状から上空から落下した可能性が大きい。県内では4日夕、七尾市中島町でオタマジャクシが降る「超常現象」が目撃されている。気象庁によると、いずれの時間帯にも竜巻などの現象は観測されておらず、謎が深まっている。
 木島さんによると、6日午前7時半ごろ、自宅近くの駐車場に車を止めようとしたところ、体長2、3センチのオタマジャクシが駐車場や別の車のボンネットの上に落ちていることに気付いた。周辺住民と一緒に探したところ、隣接する民家の庭も含め、約5メートル四方の範囲に約30匹を発見。いずれも垂直に落ちたように水平につぶれていた。現場に水や泥などはなかった。

 同駐車場を利用する会社員石川順子さん(47)によると、5日午後8時ごろ、駐車した際に異状はなく、オタマジャクシは5日夜から6日朝の間に落ちたとみられる。道路を挟んで駐車場の前に住む石川さんは5日夜、「『ドン』という音がし、家が揺れたような感じがした」と話している。

 気象庁によると、局地的な竜巻などの気象現象で、オタマジャクシが水田などから吸い上げられ、落下する可能性は考えられる。ただ同庁は「状況を聞く限り、竜巻の可能性は小さい。オタマジャクシの落下は報告例がない」としている。

 同庁の観測データによると、七尾市でオタマジャクシ約100匹の落下が目撃された4日午後4時40分ごろも、白山市で見つかった6日午前7時半ごろも大気の状態は竜巻が発生しやすい不安定な状況ではなかった。竜巻が局地的に発生した場合、通常は黒い積乱雲の目撃や強い風などを伴うというが、両ケースとも同様の現象は目撃されていない。

 同庁によると、過去には伊豆諸島で海上竜巻が発生し、海水が吸い込まれる現象が観測された。今回のケースも局地的な竜巻が発生し、オタマジャクシや水、泥などが一緒に吸い込まれた可能性は残り、「重さが違うオタマジャクシだけが分離され、空から落ちた可能性はある」としている。

 白山市徳丸町はアピタ松任店に近い住宅地で、周辺に水田が点在する。駐車場付近に高い建物はない。最初に見つけた木島さんは「オタマジャクシは投げつけたようなつぶれ方ではなく、人為的ないたずらのような感じはしない」と話している。
怪奇…空からオタマジャクシ降ってきた!?
 空から降ってくるのは雨やひょうばかりとはかぎらない。石川県が今月に入ってオタマジャクシが空から降ってくるという“怪事件”に揺れていることが7日、明らかになった。一般に魚などが空から降ってくる現象は「竜巻」が原因とされることが多いが、当時周辺で竜巻は観測されておらず、発生しやすい気象状況でもなかった。天変地異の前触れか…そのナゾは深まるばかりだ。

 この「超常現象」が発生したのは今月4日と6日。4日は午後4時半ごろ、石川県七尾市中島町の「中島市民センター」周辺の約300平方メートルにわたって体長2−3センチのオタマジャクシ約100匹が突然降ってきた(オタマ確率100%!?)。

 6日は同県白山市徳丸町で午前7時すぎ、駐車中の車のボンネットや路上でつぶれているのを住民らが見つけた。「近所の人に言われて外に出てみると、自宅の車のボンネットに5−6匹がつぶれてくっついていた」と同町に住む石川信子さん(75)。

 さらに周辺の民家や駐車場などでも計約30匹が確認され、大きさは七尾市と同様2−3センチ。5日の午後8時ごろ、石川さんの家族が帰宅した際には変わった様子はなかった。つぶれた形状からいたずらで投げつけられたとは考えられないという。2件とも付近に田んぼが点在するが、オタマジャクシがどこから来たのかは不明だ。

 実は世界各地で魚やカエル、クラゲなどが降ってきたという記録が残っているが、一般的に竜巻が原因とされる。竜巻が水上を移動するときにルートにある物を巻き上げ、その後雨と一緒に落ちてくるのだ。

 ところが、金沢地方気象台に確認すると、石川県内は4日夕も、5日夜から6日朝にかけても「大気の状態は安定していて竜巻が発生する状況ではなかった」。石川さんが「夜中にドカンという音がしたと家族はいっていたが、雨や風などはなかった」と話していることなどから、気象台が観測できない小規模な竜巻が発生した可能性も低い。

 同気象台職員も「過去に同様な例は聞いたことがない。原因も分からないですね」と首をかしげるばかり。この時期、石川県の話題といえばご当地出身の米大リーグ、ヤンキース・松井秀喜外野手(34)の活躍一色だが、巨大ゴジラも、いまは小さなオタマジャクシの前に歯が立たない!? ゴジラの里がまさに“オタマジャック”だ。
 オタマジャクシって海にはいないしね。
作成:06/12/2009 00:00:00
一概に否定するわけにはいかないのだが…
豊臣秀吉 死因はかっけ? 医師の作家が学会で発表へ
 肺炎や梅毒など諸説入り乱れる豊臣秀吉(1598年没)の死因について、脳神経外科医で作家の若林利光さん(56)=兵庫県姫路市御立東1=が、当時の症状などを基に「かっけだった」とする新説をまとめた。13日に名古屋市で開かれる日本病跡学会で発表する。

 かっけはビタミンB1不足で起きる。足のしびれ・むくみが典型的な症状だが、下痢や失禁、精神錯乱、心不全なども引き起こす。食事が白米中心だとかかりやすく、かつては富裕層に多かった。

 若林さんによると、当時の宣教師がイエズス会に送った報告書に、秀吉が死の直前の約2カ月間、下痢を患って狂乱状態に陥ったとある。別に失禁の記録もあり、いずれもかっけの症状と合うという。若林さんは「かっけで死亡したとされる徳川十四代将軍・家茂(いえもち)と症状が同じ。なぜ今まで『秀吉かっけ説』が提唱されなかったのか不思議なくらいだ」と新説に自信を見せている。【大久保昂】
 この問題、永遠に決着がつかなくない?第一、決着がついたところで、単なるトリビアにしかならん気がするが…。同じ戦国時代でも、もっとエネルギーを注ぐべきところがいっぱいある気がしてならないが…一概に否定するのもなんだし…どうすべきか良く分からんのに何故か記事を書くという。
 何が一番気に入らないって、肩書きが作家という所なんだよね。金につながりそうなのが見えるというか。…金儲けが悪いわけではないけど。
作成:06/11/2009 00:00:00
みんなが酸素を好きなわけじゃない
がん:虫下しで退治? 「副作用ない薬」開発できるかも
 すい臓がんや大腸がんの細胞と回虫などの寄生虫で、エネルギーを作り出す代謝方法が同じ可能性が高いことが慶応大先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)と国立がんセンター東病院(千葉県柏市)の共同研究で分かった。虫下しが人体に影響を与えず回虫だけを死滅させるように、副作用の無い抗がん剤が開発できるかもしれないという。研究所の曽我朋義教授(分析化学)は「酸素の希薄な場所で増殖するがん細胞の代謝方法を見つけ出せた。他のがんについても調べたい」と話している。

 生物の細胞は一般的に酸素を取り入れ「クエン酸呼吸」でエネルギーを得る。しかし回虫は酸素の乏しい小腸に入り込むとフマル酸から変換したコハク酸を高濃度に蓄積しエネルギーを生産する「フマル酸呼吸」で代謝する。一部の虫下しはこれを応用してフマル酸からコハク酸への変換に必要な酵素を攻撃し、フマル酸呼吸を不可能にすることで、人体に影響を与えず回虫だけを死滅させる。

 一方、すい臓がんや大腸がんなどのがん細胞は、回虫と同様に周囲に血管がなく酸素が乏しくても活発に増殖する。同病院はこれに着目。04年に虫下しを悪性のすい臓がんの細胞に投与したところ、がん細胞が死滅した。

 この実験結果を受け、研究所が代謝物質を網羅的に分析する「メタボローム解析」で大腸がんの細胞を調べた結果、回虫がフマル酸呼吸をした時に見られるコハク酸の高濃度の蓄積が、大腸がんの組織でも起きていることを突き止めた。

 胃がんや肺がんの細胞は血管から酸素を取り込んでおり、フマル酸呼吸はしていないとみられるという。

 曽我教授は「コハク酸の蓄積から、大腸がんの細胞がフマル酸呼吸をしている可能性が高い。今後さらに研究を進め、それを立証する」と話している。【林奈緒美】
 回虫の研究がガン治療に役立つなんて、やっぱり研究はどこから芽が出るか分からんなあ。
作成:06/04/2009 00:00:00
気づかないところにピンチはある
ミツバチ 1000万匹不足 青果受粉用、農家ピンチ
 イチゴやスイカなど果物や野菜の受粉に使われる「セイヨウミツバチ」が不足しているため、生産コストが上昇し農家が苦慮している。農林水産省は21日、特に茨城、鳥取など7県で不足が深刻で最大約1000万匹が足りないと発表した。このまま不足が続けば、果物などの価格高騰につながりかねない状況になっている。

 茨城、鳥取両県以外でミツバチが不足しているのは▽青森▽山形▽神奈川▽滋賀▽熊本−−の各県。

 受粉でセイヨウミツバチを使う作物は、イチゴのほか、メロン▽ナシ▽ナス▽カボチャ▽サクランボ−−などで、農家は養蜂業者などから購入したり借り入れている。

 農水省によると、ミツバチ不足は昨年秋ごろから言われ始め、購入代やレンタル代が約5割も上昇した地域もある。ミツバチがいなければ受粉作業を手作業でやることになり、10アールあたりの生産コストが約2000〜1万円も上昇。すでに20都道県で経営や栽培に悪影響が出ているという。

 不足の原因としては(1)豪州からの女王バチの輸入停止措置(2)農薬(3)ダニ−−の三つの影響が指摘されている。(1)は07年11月からで、現地でミツバチに寄生虫が付く「ノゼマ病」が広がったため。(2)は田畑を荒らすカメムシやアブラムシなどの害虫対策のための農薬がミツバチにも作用したとされている。(3)は駆除剤の耐性を持ったヘギイタダニがハチに寄生して成長が阻害されたとみられる。しかし、いずれも「原因として断定するまでに至っていない」(農水省生産流通振興課)という。

 農水省は女王バチをアルゼンチンから輸入するため交渉を進めているが、輸入されたとしても早くて来年1月から。同課は「不足が続き出荷量が減れば作物の価格にはね返ることもあり得る」と心配している。【奥山智己】
 ミツバチって輸入していたんだ。輸入が途絶えたら色々大変だ。
作成:04/26/2009 00:00:00
かごのない鳥は自由に飛び立つ
放鳥トキなぜ?メス全部海峡越え、佐渡はオスだけ…繁殖絶望
 新潟県佐渡市で昨年9月に放鳥されたトキのうち、市内にとどまっていた唯一の雌が佐渡海峡を越えたことが28日、確認された。

 本州への飛来は4羽目でいずれも雌。これで佐渡に残るトキは雄4羽だけとなり、放鳥トキによる繁殖の可能性は極めて低くなった。環境省は近く、専門家会合を開いて対応を協議する。

 ◆相手求め海渡る?

 同省によると、本州へ渡ったのは、佐渡市の加茂湖周辺に定着していた雌(個体識別番号04番)で、28日朝、約50キロ離れた新潟市西蒲区の水田で確認された。このトキは27日夕には佐渡市内でねぐら入りが確認されていた。

 放鳥10羽のうち雌は5羽いたが、昨年12月に死んだ1羽を除く、残り4羽はすべて本州へ渡った。このうち3羽は、3月に相次いで飛来。いずれも雄と一時期行動を共にすることもあったが、繁殖に至らなかった。

 トキ保護センターの金子良則獣医師(51)は、「飼育下のトキは雌が雄を選ぶ傾向がある。相手を気に入らず、雄を求めて海を渡ったのかも知れない」とみる。

 これで佐渡には雄4羽が残るのみとなり、今春の繁殖は絶望的になった。環境省の岩浅有記自然保護官は「04番が一夜で海を渡るなど、トキの飛行能力は高い。佐渡へ戻ることを期待したい」と話している。

 ◆放鳥計画見直し

 環境省は、「佐渡でのトキ60羽定着」との野生復帰計画は変えておらず、佐渡以外での放鳥も予定していない。ただ、専門家からは「佐渡から離れることを前提に、雌を多く放つことも必要ではないか」との指摘もあり、近く開催する専門家会合で、原因究明と今後の放鳥計画について協議する。

 また、同省は本州側の観察体制について、4月以降強化する方針。現在は「県野鳥愛護会」に観察を委託しているが、委託先の団体を増やすなどして、生態調査に力を入れたい考えだ。
 好みの相手がいない場合は仕方ないから手近で済ませる、というわけじゃなくて、つがいにならない可能性だってあるよね。人間だって異性なら誰でも良いというわけではなかろうに。
 これって、最低飼育数が少なすぎたのでは?トキにだって選ぶ権利はある、と。
作成:03/31/2009 00:00:00
何に利用するかが考えどころ
人間に近い外観と動作性能を備えたロボットの開発に成功
 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)知能システム研究部門【研究部門長 平井 成興】ヒューマノイド研究グループ 梶田 秀司 研究グループ長らは、人間に近い外観・形態を持ち、人間に極めて近い歩行や動作ができ、音声認識などを用いて人間とインタラクションできるヒューマノイドロボット(サイバネティックヒューマン、以下「HRP-4C」という)を開発した。

 HRP-4Cは、身長158cm、体重43kg(バッテリー含む)で、関節位置や寸法は日本人青年女性の平均値を参考に、人間に近い外観を実現した。歩行動作や全身動作はモーションキャプチャーで計測した人間の歩行動作や全身動作を参考にして、HRPにおいて開発された二足歩行ロボットの制御技術を適用することにより、人間に極めて近い動作を実現した。また、音声認識にもとづく応答動作など、人間とのインタラクションを実現した。

 HRP-4Cは、産総研が2006年度から3ヵ年計画で実施した産学連携プロジェクト「産総研産業変革研究イニシアティブ(以下「産総研イニシアティブ」という)」の「ユーザ指向ロボットオープンアーキテクチャの開発(以下「UCROA」という)」の一環として、エンターテインメント産業への応用を主な目的として開発され、ファッションショー等への利用が期待される。

 2009年3月23日に開幕する第8回「東京発 日本ファッション・ウィーク」のファッションショーの一つに出演を予定している。

 この角度で見たらそんなに違和感がないね。でも、別の角度で見ると…
作成:03/18/2009 00:00:00
永遠に君臨する
女王シロアリ、子供は後継にせず…王の血を入れないワケは?
 女王の命は永遠? 日本に多いシロアリ「ヤマトシロアリ」の女王は、自分の死後の後継者となる新女王を、王と交配しない単為発生で産むことを岡山大の松浦健二准教授(昆虫生態学)らが発見した。新女王はこれまで、王と女王の娘と考えられてきたが、実は自分自身の“分身”で、女王の座を守り続けていた。17日から盛岡市などで始まる日本生態学会で発表する。


 シロアリは最初に1匹ずつの王と女王が巣を作り、働きアリや兵アリ、生殖能力を持つ羽アリなどを産む。

 松浦准教授らが、ヤマトシロアリの生態や遺伝子を詳しく調べたところ、女王は通常、王と交配して産卵するが、うち2〜5%は単為発生で産み、それが新女王になることがわかった。

 巣が大きくなると、働きアリなどを増やす必要が出てくるが、女王だけでは産卵数が不足しがちになると新女王たちが王と交配し、家族を増やす。20〜30年生きる王に比べて女王の寿命は5〜10年と短いが、分身がさらに分身を産むため、巣が存続する限り、初代女王と同じ遺伝子の女王が君臨し続けることになる。
 何か不思議な仕組みですね。やっぱり女王は卵を産むのに体力を使うから長生きできないのかな?それでこんな仕組みを作って遺伝子を維持している、と。
 人間だと女性の方が長生きなのにね。
作成:03/13/2009 00:00:00
立場を入れ替えて見ると
地球の周りに輝くダイヤ 「かぐや」が月食時に撮影
 宇宙航空研究開発機構とNHKは18日、月周回衛星「かぐや」のハイビジョンカメラで、地球の背後からわずかに顔をのぞかせた太陽が輝き、地球の大気が照らされた光の輪とともに“ダイヤモンドリング”のように見える姿を初めてとらえたとして、画像を発表した。


 撮影は今月10日。太陽と地球、月がほぼ一直線に並び、月から見て太陽が地球の裏側に一部隠れた「部分食」に当たる。こうした状態が撮影できるのは多くても年2回程度という。

 画面下側は、手前に月面が重なっているためリングが欠けている。
 JAXAのウェブページにフォトアーカイブスというのがあり、かぐやが撮影した他の写真も自由に見ることが出来ます。月からの「お地球見」写真はとても幻想的。
 また、ビデオアーカイブスというのもあって、そちらでは映像を見ることが出来ます。他にも様々な画像があるようなので、暇な時に漁って見るのも楽しいかも。
作成:02/23/2009 00:00:00
遥か彼方より応援しています
小惑星探査機「はやぶさ」の現在の状況について
−イオンエンジン再点火、地球帰還へ向け第2期軌道変換を開始へ−

 現在、「はやぶさ」は平成22年6月の地球帰還に向けて鋭意運用中です。
「はやぶさ」はイトカワの軌道離脱後、平成19年10月18日にイオンエンジンを停止させ、地球帰還へ向けた第1期軌道変換を完了しています。
 これまで慣性飛行を続けてきた「はやぶさ」のリアクションホィールを駆動させ、三軸姿勢制御を確立後、本日イオンエンジンを再点火させて動力飛行を開始しました。イオンエンジンの再点火確認時刻は11時35分です。今後、平成22年3月頃までイオンエンジンによる加速を徐々に行い、地球帰還へ向けた第2期軌道変換を引き続き実施する予定です。
 その後は平成22年4月頃から6月頃まで、ある程度地球に近付いてきた「はやぶさ」を、地球の軌道により精密に近付ける軌道誘導を行い、平成22年6月にカプセルを大気圏に突入させる計画です。
 ここまで、イオンエンジンの宇宙作動合計時間は31,000時間、軌道変換量(※1)は、1,700m/sに達していますが、推進性能も推進剤残量も十分に余力を残しています。地球帰還までの残り軌道変換量は、400m/sです。
 今後も引き続き各搭載機器の状態に注意を払いつつ、細心の注意と最大限の努力をもって、「はやぶさ」運用に取り組んで参ります。

(※1)軌道変換量:イオンエンジンによる加速量
 ついに、はやぶさが地球帰還に向けて動き出しました。満身創痍でよくやる。きちんとイトカワの破片を回収できるのだろうか。楽しみ。がんばれ。
作成:02/11/2009 00:00:00
地球上にも謎はいっぱい
深海魚の3科、実は1つだった=DNA解析で判明・国際チーム
 19世紀末から20世紀半ばにかけて3つの科に分類された深海魚が、実は1つの科の子、雄、雌であることが、DNA解析などで分かった。東大海洋研究所や千葉県立中央博物館などの国際研究チームが25日までに英王立協会の生物学誌バイオロジー・レターズ電子版に発表した。科は種の2段階上の分類。陸上動物ならイヌとネコが仲間だというのと同じぐらい、意外な発見だ。
 子、雄、雌と判明したのは尾が1メートル近いリボンイワシ科(3属5種)、全長わずか6センチ程度で嗅覚(きゅうかく)器官が発達したソコクジラウオ科(4属9種)、最大40センチ程度で頭部が巨大なクジラウオ科(9属20種)。


 子はひものようなクシクラゲ類に姿を似せるなどして身を守り、プランクトンを食べて成長。雄は食道と胃がなくなり、肥大化した肝臓にためたエネルギーで、フェロモンを頼りに雌探しに専念すると考えられている。
 海洋研所長の西田睦教授や同博物館の宮正樹上席研究員らが、最近採集された標本から細胞小器官ミトコンドリアのDNAを抽出し、全遺伝情報(ゲノム)を解読したところ、3科が非常に近いと判明。米国立自然史博物館やオーストラリア博物館の研究者が頭骨などの形態を詳細に比較し直し、子と雄、雌と結論付けた。種レベルの対応関係はまだほとんど分かっていない。
 深海魚は網で海上に引き揚げると死んでしまうため、生態の解明が難しい。しかし、これまでも、ソコクジラウオ科は雄、クジラウオ科は雌しか捕まらないことが不思議に思われていた。日本魚類学会長でもある西田教授は「魚類は種類が多く、形態も変わったものが多い。DNA解析を進めれば、今後も教科書を書き換える成果が出てくるだろう」と話している。
 なんでも分かったつもりになっていても、実は全然分かっていないということの一例。自然は採点をしてくれません。
作成:02/05/2009 00:00:00
馬鹿には馬鹿と言わなきゃ分からない
Google、「1回のGoogle検索で二酸化炭素7グラム排出」の論文に反論
 1回のGoogle検索にやかんでお湯を沸かすエネルギーの半分が必要という論文に対し、Googleが反論している。  米Googleは1月11日、「Googleで1回検索すると、やかんでお湯を沸かす半分のエネルギーが必要で、二酸化炭素7グラムを排出している」という論文に対し、公式ブログで反論した。

 この論文は、ハーバード大学の物理学者、アレックス・ウィスナー‐グロス氏が近日発表するもので、同日英Timesほか複数のメディアで紹介されている。

 Googleによると、検索クエリによって所要時間に差があるが、Googleの一般的な検索にかかる時間は0.2秒以内。検索インデックスの作成など、検索開始以前の作業を含めても、1回当たりのエネルギー使用量は1時間当たり0.0003キロワット(キロジュール)だという。成人1人が必要とする1日の平均的なエネルギー量が8000キロジュールであることを考えると、Google検索に必要なエネルギー量は、人間が10秒間に消費する量と同程度ということになる。

 温暖化ガスの排出量でみると、Google検索による二酸化炭素排出量は約0.2グラムだとしている。欧州連合(EU)の現在の排出ガス基準は、1キロ走行当たり140グラムだが、大半の自動車はこの基準を満たしていない。つまり、平均的な自動車は1キロ走行するのに、Google検索の1000倍もの二酸化炭素を排出している、とGoogleは指摘している。

 同社は「世界一」エネルギー効率のいいデータセンターを設計・設置していると主張。2008年には同社の慈善団体Google.orgが、クリーンエネルギー開発に4500万ドルを投じたこと、同年夏には再生可能エネルギー開発専門事業部を社内に設けたことを説明。さらに2007年には「Climate Savers Computing Initiative」を共同設立し、2010年までにPCによるエネルギー消費量を半分に削減し、二酸化炭素排出量を年間540万トン削減する目標を立てていると主張している。
 どんな物理学者だか知らんけど、いったい何のためにしている議論なのか。じゃあ、インターネットをなくせばCO2が減るのか?それはその分減るかも知れないけれど、他のところでもっと増えるだろうよ。自分だって、論文検索などで恩恵を受けているだろうに。なくなったら、プレプリントもなくなったら、雑誌のコピーをしたり、書簡で論文のやり取りをしていた時代に戻すわけ?
 ただの馬鹿の戯言としか思えない。
作成:01/15/2009 00:00:00
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