炭火焼 零人(下神明、串焼き)基本情報

項目 内容
名称 炭火焼 零人
ジャンル 串焼き
主なメニュー 鳥・豚の串焼き、鳥・牛たたき、土鍋ご飯、焼酎・ワイン等
特徴  手ごろな値段で美味しい串焼きを食べさせてくれるお店。しかし、サービスのひどさがそれを打ち消して余りあるところが残念。
 だが、ネット上の評価を見ると、サービスが良いと言っている人もいるので、単にボクが嫌われただけなのかもしれません。しかし、嫌な思いをしてまで食べたいとは思わないので、もはや二度と行くことはないでしょう。
住所 東京都品川区二葉1丁目11-25
電話番号 03-3782-1067
地図
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炭火焼 零人(下神明、串焼き)訪問記録

残念な結果

2012/09/05
評価:☆☆★★★
 東急大井町駅から下神明駅に向かう大通りの終点を左に入った最初の交差点にできたのがこちらのお店だ。以前はボロい建物だったのが、おしゃれな、落ち着いた雰囲気の建物に改装されている。
 中に入るとカウンターが7席ほどに、テーブル席が26席くらいだろうか。壁際には有名どころの焼酎が並べられており、焼き台の周りはガラス壁で囲われている。

 まず登場するのはお通し。ざく切りしたキャベツにごま油をかけ、白ゴマを振ってある。おかわり自由らしい。

お通しキャベツ


 とりあえず、薬味たっぷり鳥たたきと串焼き盛り合わせ7本を注文。ご主人が焼き台を担当し、それ以外を奥様が担当しているように思える。お客はボク以外に一人しかおらず、注文も立て込んでいるというわけではないはずだが、キビキビと、というよりはせわしないという感じに動き回り、声がかかるのを拒絶しているかに見える。

薬味たっぷり鳥たたき


 そんな結果登場したのがこちらのたたき。たれは別皿で提供されており、自分でかけ回す親切設計だ。ミョウガやシソの薬味がたっぷりで鳥が目立たなくなっている気もするが、ミョウガが香りたって美味しいので良し。だが、鳥自体にも炭の香ばしさを強めにつけるなど、一工夫あってもよいかも。
 立て続けに串焼き盛り合わせも登場。おすすめで選ばれたのは、ねぎま(塩)、鳥膝軟骨(塩)、み(塩・柚子胡椒)、つくね(タレ)、しろ(タレ)、皮(タレ)、しいたけ(かつおぶし醤油)の7本。2本、1本、3本、1本と次々やってきたので、目の前が串焼きでいっぱいになってしまった。他にお客がいないのだから、進度を見ながら提供してくれても良いのになあ。
 みは、ジュワッとしたお肉に、パリッとした皮がついていて、コントラストがあり旨い。

鳥膝軟骨


 こちらは鳥膝軟骨。コリコリした軟骨にジューシーなお肉がついていて、コリコリジュワッという味わい。もう注文はほとんどはけたはずなのに、焼き台の傍でご主人と歓談しながら何やら忙しそうにしているため、非常に声をかけづらい雰囲気を作られている。お酒が空いたので注文したいのだが、注文しにくい。お客を全然見て売る気が無いんだなあ。

 そんな空気をおして追加注文。かんずり、レバー、トマト肉巻きだ。

レバー


 レバーは半生。微妙に臭みがあったかもしれないが、そこは芥子でカバー。かんずりには山椒が、トマト肉巻きにはタバスコがつけられていた。
 かんずりは気管らしく、クニュクニュした部分とお肉がついている。トマトはプチトマトで、イタリアンパセリがまぶされている。噛むと熱さが大爆発だ。

 「れんと」380円「香吟のささやき」420円を合わせ、2,980円。「伊佐美」480円だったことから見ても、お値段的には安い。しかしボクはおそらく二度と行かないであろう。なぜか。
 理由を大きく分けると「(1) 内装と店員のギャップ」「(2) 客を見ないサービス」「(3) 魅せないパフォーマンス」に集約される。

 外観も内装も照明も、落ち着いた雰囲気を醸し出しており、ゆったりと過ごせる憩いの場を提供するというコンセプトに基づいてこの店は運営されているはずだ。しかし、それを提供するはずの店員の意識がそこに追い付いていない。
 忙しいからこそ、キビキビと働くことは重要だ。しかしそれが客にせわしないとの印象を与えてしまえば、落ち着いて飲むことはできない。バックヤードは隠すか、ゆったりとした動きの中にも効率のよさを追求する心構えが必要だと思われる。これが「(1) 内装と意識のズレ」だ。

 飲み屋の利益の源泉は、酒を売り上げることだろう。食べ物を注文してもらい、それに倍する酒を売ることで店は潤う。そのためには、美味しい料理を適宜提供しつつ、次々と酒を飲んでもらう工夫をしなければならない。
 美味しい料理には温度も関係してくる。食べきれないほどたくさんの料理が来ても冷めるだけだ。小さな店ならば、客の進度を見ながら料理を提供するという高いサービス精神が欲しい。作っているほうだって、美味しく食べて欲しいだろう。
 加えて、グラスが空けば押しつけがましくならないほどに次の注文を取る声掛けも重要だ。その過程で客の料理の進度を確認することもできるわけで、一石二鳥だろう。
 ゆえに、いくら内輪で話をしているのが楽しいからと言って、自分たちだけの殻に閉じこもって客を見ないならば、サービス業をしなくてもよい。これが「(2) 客を見ないサービス」だ。

 炭火焼を冠するからには、炭火焼に自信を持っているのであろう。ならばこの店の魅力の中心は、炭火焼にあるはずだ。ところがこの店の焼き台はカウンターに座っても見えない。むしろ見えるのは、見せなくてもよいバックヤードの方だ。そもそも、厨房の設計がおかしいのではないだろうか。
 炭火焼の熱や煙が嫌だという客もいるだろうから、ガラス壁で囲うのは別によい。しかし、焼き台の前に焼酎やワインのボトルなど並べず、さらにはカウンターの正面に焼き台を設置すべきだろう。そこで香ばしく焼けていく串を見せつければ、あれは何かと思って注文する客もいるだろうし、それを食べるためにお酒を飲もうと思う人もいるだろう。これが「(3) 魅せないパフォーマンス」だ。
 そしてそういう配置にすれば、せわしなく働く裏側を客に見せずに済み、ゆったりとした雰囲気を醸し出すことにもつながるであろう。

 他にも個人的には嫌な思いをしたわけだが、嫌な思いをしてまで飲みたいとは思わないため、このお店には二度と行かないであろう。しかし、ネットの評判を見れば、良いサービスだと主張する人もいるため、客自身の資質によって店が対応を変えている可能性もある。もしそうだとすれば、ボクは失格なのであろうから、ますます、お伺いする必要もないであろう。

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