阪急電車
- 断片をつなげると面白い物語になることの証明
- 評価:☆☆☆☆☆
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毎日同じ時間、同じ車両に乗っていれば、見かける顔ぶれは決まってくる。毎日同じ顔を見ていれば、日々の違いに気づくことだってあるかもしれない。たまたま乗り合わせた人でも、何か特徴があれば、その人生を妄想してしまうこともある。この本は、正にそういったところをついて来たといえるだろう。
片道わずか15分の阪急今津線。この電車に乗り合わせた人達が、ほんの少しのきっかけで物語を織り成し、そして各々の行き先に進んでいく。このまま分かれていくと物語として寂しいのだけれど、交わったまま行き先を同じくして行く人たちもいるので、ちょっとほほえましい。
いつもと同様、ちょっと甘いお話の中に、作者がおそらく普段思っていることを叩き込み、綺麗な連作として仕上げている。普段の生活で、電車に乗り合わせた人の物語は断片としてしか知りえないので、その欲求不満を軽減する作品となるかもしれない。
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阪急電車(有川浩)の書評/レビュー
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