キケン(有川浩)の書評/レビュー


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キケン

全力で突っ走りギリギリでかわす
評価:☆☆☆☆☆
 成南電機工科大学機械制御研究部を略して機研、あるいは危険人物に率いられているからキケン。一芸に秀でたような連中が、その専門性を駆使して本気で遊ぶとかなりすごいことも平気でやっちゃうよ、というお話。
 社会人になった部員が昔話を妻にする、という体裁をとっている。あえて言うならば、飲み屋でサラリーマンが語る武勇伝みたいなもの。

 学生運動の時代の影響もあるかもしれないが、学問の自由という名目の下、外に影響を及ぼさなければ、ほぼ治外法権が認められているのが大学という場所だと思う。しかもほぼ大人で行動力もあり、研究室には色々と道具も揃っていたりするので、やろうと思えば大概なんでも出来てしまう。しかし、それが行き過ぎると大事件に発展したりもするので注意が必要。
 その点、この物語では常にアクセルと安全装置がセットになって行動しているので一安心。そしてその安全装置もかなり緩めになっているので、相当大胆な事をしても大丈夫な仕様なのです。

 生活や将来のことをあまり気にせず、言ってしまえばどうでもよい事に本気になって取り組めるのは、学生か本当のお金持ちくらいなんでしょうね。

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