銀河乞食軍団 黎明篇 (1) 〈蒼橋〉義勇軍、出撃!(鷹見一幸)作品の書評/レビュー


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銀河乞食軍団 黎明篇 (1) 〈蒼橋〉義勇軍、出撃!(原案:野田昌宏)

宇宙空間を舞台とした独立運動
評価:☆☆☆☆★
 20年くらい前に発表された「銀河乞食軍団」シリーズを原本として、その前日談を描いた作品。同時に原本もリニューアルして発売されている様だから、それに彩りを添える新作を、という背景があったのかも知れない。
 もともとのシリーズを読んだことがないので判然とはしないが、キャラの独特な話し方やSF考証的な説明など、これまでの作者の作品ではあまり見られなかった要素があるので、本来の世界観を壊さないように気を使ったのだろうと想像される。
 一方で、作者らしさも健在で、軍隊の組織論みたいな部分や、現場の人間の心構え的な発言などを見つけるにつけ、いつも通りだなあと感じさせてくれる。

 一言で言うと辺境の星系間紛争なのだが、対立する政体として、紛争の舞台となる蒼橋、そこの宗主国的な立場の紅天、そして国連的な立場の連邦政府が存在する。
 そもそも紅天が資本投下した鉱物資源の採掘先である蒼橋では、当時の不平等な契約が現在まで続いていて、貿易による利益のほとんどが紅天に吸い上げられる構造になっている。それに反発した蒼橋は採掘業者による義勇軍を結成し、採掘業者のストライキを契機として紅天と戦闘状態に入る。しかし、まともに戦うことは戦力的に無理なので、調停者として連邦を呼び寄せるのだが…というストーリー。
 蒼橋は何故いま紛争を起こすのか、紅天はなぜ蒼橋を解放出来ないのかなど、政治的思惑がからんだ話や、戦闘艦に関する技術的な話、軍人や職人の考え方など、様々な要素が盛り込まれている。SF考証的な話が途中に盛り込まれるのだけれど、説明がうまく伝わってこない部分もある。巻末に補足図が入るのだけれど、その場所に入れた方が分かりやすかったんじゃないのかな?

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