漂う書庫のヴェルテ・テラ (2) 断罪星導師(川口士)の書評/レビュー


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漂う書庫のヴェルテ・テラ (2) 断罪星導師

過去と現在を根拠にした、恐ろしくも可愛らしい争い
評価:☆☆☆☆★
 貴族の屋敷に本を仕入れに行った帰り道に、ジグウォルと『万巻の書』レジィナは、二人の刺客に襲われる。襲ってきたのは、かつてジグウォルが学んだ星導師の下にいた、ソコートとデルミッシュ。
 聖堂からの依頼だというその襲撃を振り切って落ち着いたと思ったのも束の間、今度は同じ聖堂から、ジグウォルの護衛役として幼なじみのリシェルが送り込まれてくる。加えて彼に依頼があるという。
 『五賢七書』とそれをめぐる聖堂内の権力争いに巻き込まれる形となったジグウォルだが、本来の目的に適うとばかりに依頼を受ける。ところが、外敵以外にも身内に争いの種がまかれるとは思いもよらなかった。万巻の書と幼なじみの、無言の鞘当てが始まる!

 ジグウォルが星導術を目指す理由となった過去の出来事が少しずつ明らかにされてきている。同時に、ジグウォルを取り巻く多くの少女たちの存在も。
 印刷所のティベリア、宿屋のユーリ、女王アンジェリナ、そして前述の人々と、枚挙に暇がないという状況である。ただ、彼女たちとの描写をメインとするのか、世界観をベースとするストーリー性を優先するかのどちらを選ぶかが定まりきっていない印象があり、双方とも中途半端になっている気がしてしまう。
 個人的に面白かったのは、ポリオとジグウォルが書いた本の紹介記事。この書評も「嘘ではない、いろいろな見方のひとつ」になっているだろうか?

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