小さな国の救世主 (2) おざなり将軍の巻(鷹見一幸)の書評/レビュー


 小さな国の救世主 (2) おざなり将軍の巻(鷹見一幸)の書評/レビューを掲載しています。

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小さな国の救世主 (2) おざなり将軍の巻

運を呼び込むのも実力
評価:☆☆☆☆☆
 他人なんか誰も信じられない、とあなたは言うかもしれません。でも、そんなあなたでも、満員電車に乗ることに死の恐怖を感じることはないでしょう。だって、隣の人がいきなりナイフで刺してくるなどという状況を想定することはないでしょうから。一定以上のレベルで他人を信じることができる世界。それが平和な世界というもの。しかし、この物語の世界では、それは常識ではありません。
 他民族国家で勃発した内戦。それぞれの陣営にはそれぞれの思惑とバックについている国の思惑があり、利権があります。実際、今でもあるだろうし、冷戦時代には良く見られた構造。不注意な行動と不運から、この内戦に巻き込まれた龍也は、たまたま小部族の軍師となり、様々な人の力を借りて戦車部隊から勝利をもぎ取ってしまいます。そして、今回は爆撃機が相手。
 いつでも平和な世界に戻るチャンスはあったのに、それを捨てて死地に飛び込む。その選択はおろかともいえるし、助けられた側からは何よりも貴重なものでしょう。普通の人がしない選択をした人が歴史を作っていくのでしょうね。…大抵の場合は自分が死んで終わってしまう気もしますが。

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