サクラダリセット (3) MEMORY in CHILDREN(河野裕)の書評/レビュー


 サクラダリセット (3) MEMORY in CHILDREN(河野裕)の書評/レビューを掲載しています。

関連作品の書評/レビュー
サクラダリセット (2) WITCH,PICTURE and RED EYE GIRL サクラダリセット (3) MEMORY in CHILDREN サクラダリセット (4) GOODBYE is not EASY WORD to SAY

サクラダリセット (3) MEMORY in CHILDREN

最善を選べることが幸福につながるとは限らない
評価:☆☆☆☆☆
 浅井ケイと春埼美空がこれまで出会ってきた人たちの能力を組み合わせれば、二年前に事故で死んだ相麻菫を生き返らせることができる。マクガフィンから導かれるその結論は、これまでの彼らの道筋が予測されたものだったことを悟らざるを得ない。その想いは、ケイに二年前の相麻との出会いから別れまでの出来事を思い起こさせる。そしてそれはケイと美空の出会いの物語でもある。
 ケイが美空の信頼を得ていくまでにあった、一人の少女と母親を巡る物語。それは彼らが関わるように相麻が誘導した出来事でもあるが、全てが彼女の思い通りになったわけではない。未来を見通せるがゆえに、常に最善の選択肢を選び続ける。この最善が本当に自分が得たい選択肢ばかりとは限らないからだ。
 そして舞台は二年後の現在へ。再び時間の流れの中に戻った相麻菫が目指すこととは何なのか。それは次の物語。

 二年前のケイと美空や菫の関係性と、現在の彼らの振る舞いから感じる関係制が、何かずれているような印象を読中ずっと感じていた。だがその理由は、菫が亡くなった時のケイの行動を知って、何となく分かった様な気がした。
 最後のイラストは本来ならばありえなかった構図のはず。それが示唆しているものは何だろう。

   bk1
   
   amazon
   
河野裕作品の書評一覧

ホーム
inserted by FC2 system