剣の女王と烙印の仔 (7)(杉井光)の書評/レビュー


 剣の女王と烙印の仔 (7)(杉井光)の書評/レビューを掲載しています。

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剣の女王と烙印の仔 (7)

打開策が混迷を生む
評価:☆☆☆☆☆
 プリンキノポリ司教補マルマテオの命を賭した行動により、総大主教代行という地位につけられてしまったフランチェスカは、神の思惑に振り回される我が身を嘆きながらも、人として事態打開に臨むことを決意する。そしてミネルヴァも、フランチェスカの覚悟を知り、自身の覚悟を決めるのだった。
 一方、ミネルヴァと別れ、自分に巣くう冥王オルクスの真名を知るために、聖都を目指すクリストフォロの前に、ミネルヴァたちの師匠カーラが現れる。その圧倒的な実力の前に、クリスは初めて恐怖を抱くのだった。

 王太伯ティベリウス・ネロスにその身体の支配権を渡してしまったジュリオと、メルクリウス・エピメクスは、アンゴーラ軍の攻撃により行方不明になってしまった託宣女王シルヴィアを探すため、前線へ赴く。その戦場では、ヒエロニヒカに隠された秘密が明らかになるのだった。

 聖王国内での内戦、外敵の侵攻、天上の神々が地上にもたらした力。そんな各種要素が聖都めがけて収束していくのが今巻の内容だ。様々な立場の人間が、それぞれの持つ力を駆使し、自分にあるいは国に有利な未来を導こうとする。そんな思惑のぶつかり合いが生む、奇妙にねじれた展開を楽しみたい。
 ところで今回のイラストは、下からのアングルが多かった気がする。そのせいもあってか、全体的にキャラたちは幼く丸い印象になった。何か理由があるのかな?

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